夏休みの極意:自由研究 頼りになる科学館 好きな分野を探す
夏休みも終盤。自由研究がまだ終わっていない!という子どもたちも多いはず。そこで、テーマ設定のコツや、進め方のポイントを探ってみた。【大迫麻記子】
東京・上野公園の国立科学博物館のイベント「サイエンススクエア」。六つのブースで、科学マジックやフラスコを使った実験が披露されている。
その一つ、「はっぱ博士」。小学生5人がルーペで葉を見つめる。「この葉っぱは何ていう植物かな」。ボランティアスタッフが声をかける。図鑑と照合していた東京都葛飾区の小3、広岡孝聡君(9)が「イヌタデ!」と元気に答えた。
続いて、色えんぴつで葉をスケッチ。ルーペを使い葉脈まで描く。スケッチした紙の裏に葉を張り付け、ラベルに植物の名前や葉の採取日を記入すれば、標本の出来上がりだ。
自由研究で悩ましいのが、何と言ってもテーマ設定だ。
自由研究を奨励するNPO法人「日本サイエンスサービス(NSS)」(名古屋市)理事で、名古屋市科学館学芸員の西本昌司さんは「まずは好きな分野を探し、疑問を書き出してみて」とアドバイスする。
でも「分からないこと」って、意外に分からないもの。そんな時に頼りになるのが、最寄りの科学館などのイベント。たとえばサイエンススクエアは、53のプログラムを数日ずつ順次実施している。
これからでも間に合うプログラムを紹介すると……。「こんな木・あんな木」は、いろんな種類の材木を水に浮かせて浮力を比べる。専門家が、どの種類の木がどんな理由でどんな用途に向いているかを解説してくれる。
「いろいろな砂」の素材は全国の砂。砂は地域で色や形、大きさが異なる。それが自由研究の面白みになる。
テーマが決まったら、どう調べるか考え、予定を立てる。動機や目的、方法と結果を記録し、最後に自分なりの考察を加えよう。
記録術として、西本さんは「変化をデータに取ってみて」と言う。「アサガオが大きくなった」と記すだけでなく、「アサガオが24時間で1センチ伸びた」と書けば、客観的なデータになる。
国立科学博物館で企画を担当する久保晃一さんは「博物館でやったことなどをベースに、みなさん流に工夫してみてください。立派なオリジナルの自由研究が出来上がります」と語る。
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■疑問の見つけ方
子どもたちはどんなふうに疑問を見つけたのか。これまでの「自然科学観察コンクール」(毎日新聞社など主催)の応募作品をのぞいてみると--。
・「水の中にコンブを入れるとダシが出る。海の中でもダシが出続けているのだろうか」
・「扇風機にあたりながらアイスを食べると早く溶ける。なぜ?」
・「ビーチボールやサッカーボールは穴が開くとしぼむのに、紙風船はなぜしぼまないの?」
・「雨の日、チョウが少しもぬれずに葉の裏に止まっているのが不思議」
・「38度の日は暑いのに、38度のお風呂はぬるいのはなぜ?」
NSSの西本さんは「子どもは必ず好奇心を持っている。すぐに見つからなければ、親が雑談しながらうまく引き出して」と話す。
毎日新聞 2008年8月17日 東京朝刊