「海辺のカフカ」を読み終えました。

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)/村上 春樹
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登場人物たちのそれぞれのストーリーが

二次元にも三次元にも重なり合い、今回も

独特の不思議な村上春樹の世界に引き込まれました宝石赤


村上春樹は何を伝えたいのだろうとモヤモヤした気持ちで
読み進めていきましたが、最後の最後、死の世界に住む
”佐伯さん”が、現実の世界に戻りなさいと”カフカ”へ送るメッセージ
「あなたさえずっと私の事を覚えていてくれれば、

他の誰にも忘れられてもかまわない」という台詞がとても印象的で

実体がなくとも、「想えばそこにいる」ってその通りだなと思い

故人の切ない想いをひしひしと感じながら、

私なりにこの作品を納得して読み終えました。


もちろん他の多くの読者同様、「?」な部分も沢山残っていますが、
読んだ人によって、様々な捉え方が出来て余韻を楽しめるのも、

村上作品の魅力のうち。

「?」はこれからゆっくり考えていきたいです・・・クローバー


もし同じような内容の小説を別の小説家が書いていたら、
ただの個性的なキャラクターが多く登場する不思議な小説になって

しまいそうですが、そうさせないのがさすが、村上文学だと思いました。


あるインタビューで、村上春樹が、この小説で絶対に描きたいと
思っていたと語る「森」や、カフカが足を踏み入れた森の奥の白い世界も、
その描写は読者の想像を掻き立てます。
私はとても美しい世界を想像しながら読みました星空


「カフカ」つながりで、今はフランツ・カフカの作品を読んでいます本