今日,歯医者で治療を終え,

待合室で口をもごもごしていた。


治療したところを舌で恐る恐る触れながら,

次の診療の予定日を考えていた。


ふと,強烈な視線を感じ,そちらへ目を移す。


赤ちゃんがいた。


そのおねえちゃん(5歳くらい)とお兄ちゃん(3歳くらい)

それとお母さんの4人でアンパンマンか何かの絵本を読んでいた。


おねえちゃんが朗々と読み上げ,

お兄ちゃんが興味津々本を覗き込んでいる。


当然,赤ちゃんにはアンパンマンが正義のヒーローで,

バイキンマンが悪の根源だなんてわからない。


ちょこんと座り,きょろきょろしていた時に,

ちょうど面白い顔をしていたわたしに気が付いたのかも知れない。


きょとん,としている無垢な目と視線が重なり,

どうしていいかわからない36歳(男子)。


舌でほっぺたをむにゅっと押してみたところ,ウケた。


にこぉ~~~っと笑ってくれた。


お母さんはじめ,おねちゃんもお兄ちゃんもその事に気づいていない。


ちらっと受付のお姉さんに目を配る。


気づいていない。


再び赤ちゃんに目を戻す。


きょとん,としている。


ほっぺを舌で押す。


にこぉ~~っと笑う。


二人だけのコミュニケーションが暫し続いた。


赤ちゃんの笑顔は無条件でかわいらしい。


自然とこちらも笑顔になる。

(きっとこの笑顔が一番自然な表情のはず)


3分ほどで名前を呼ばれた。


「おれ,もう行かなくちゃ駄目なんだよ。」

と赤ちゃんに目で合図し,席を立つ。


お会計を済ませ,次の予約はいつが良いですか?と訊かれた。


来週の月曜日,同じ時間で。


春の暖かさと,赤ちゃんの笑顔で

歯の痛みも少し和らいだ。


かしこ