先日,生徒たちが通う中学校の合唱コンクールがあった。
指揮者も伴奏者もすべてクラスメイトでやるため,
かなりチームワークが試される行事となっている。
毎年観覧に行き,そのレベルの高さに感嘆すること限りなし,である。
実はこの合唱コンクールのために,新年度のクラス編成は
まずピアノを演奏できる子が各クラスに振り分けられるそうだ。
当然,その伴奏者賞というのもある。
今回,わたしの目をひいた生徒がいた。
彼は観客席にお辞儀をした後,まず椅子の高さを調整し,
本来楽譜を置く台をたたんでしまった。
つまり楽譜は見ずに演奏するようだ。
更に,座る前に手に持っていた布で軽く鍵盤をひと拭きして
着席し,構えに入った。
少なくても今まで見てきてそれをやったのは彼だけである。
このしぐさがとにかく様になっており,その瞬間
この子が伴奏者賞だな,と密かに思った。
演奏が始まると,彼は意気揚々と旋律を奏でる。
そのメロディラインを耳にして,その思いは確信に変わった。
やはり,入口がしっかりしていると実力も備わっているのだなあ。
物を大切にするというか,自分の相棒を大切にする気持ちは
かならずその人を成長させてくれるものだ。
わたしも毎日野球の用具を手入れしている。
使わない日も,グラブにオイルを塗ったり,
型をつけたり,バットを磨いたり,スパイクを手入れする。
すると,いざ練習があったり,試合の日には気持ちよく野球に入っていける。
本当に些細な習慣かもしれないけど,
物を手入れするってのは大切なことなのだ。
結局ピアノの彼は伴奏者賞に見事選ばれたそうだ。
かしこ