人間はまるでこの地球上の生物の
頂点に君臨しているかのごとく振舞っている。
自分たちの生み出した「科学」こそが,
他の生物たちと大きな隔たりであり,
それこそが決定的な差であると自負しているようだ。
しかし,自然界には人間の想像を遥かに超える,
さまざまな驚きの構造をもった生物が多数存在する。
例えば「ハス」の葉は撥水効果が非常に高いが,
これは葉の表面に水分子よりも小さい突起が無数にあり,
水の浸透を防いでいるからだ。
そしてその構造を人間が真似して作ったのが
「超撥水レインコート」だったり
「洗わなくて良い皿」だったりする。
このように生物がもつ驚きの機能を真似して
科学として利用することを「バイオミミクリー」という。
日本語に直せば「生物模倣」となる。
他にも色々ある。
例えば新型の新幹線の先は,カワセミのくちばしを真似たもの。
トンネルに入る際の抵抗を極めて和らげる仕組みらしい。
他にも,蚊の口を真似て作られた痛くない針や,
オナモミの実(服とかにくっつくあれ)はマジックテープに,
表面に細かい傷を付けることで永久に七色に光る金属は
玉虫の表面を真似たものだ。
人間が開発に数十億とかかるようなこんな現象を,
自然界では地味に,そして必要に応じてじっくりと身につけてきているのである。
したがって,人間は今までのように自然を支配しているなどと考えず,
改めて自然界の一員として末席に座り,色々な恩恵を学ばせてもらうべきだろう。
かしこ