拝啓、桜の木の下の君へ
君は覚えているかどうかわからないが、僕は強く決心した。
気持ちが揺らいでしまう前に、手紙に残しておこうと思う。
決めたのは昨晩のことだ。
もう迷っていても仕方がないし、まして、時間も限られている。
ご存知だとは思うが、僕には時間があまりない。
君がこの手紙をどのような顔で読んでいるか、
この目で確かめたいものだが、ご存知のとおり、
今の僕は君に会うことができない。
そのうちまた、きっと君に手紙を書くと思う。
無論、返信は不要だ。
と、言っても君からの手紙は僕には届くはずもないのだが。
どうか、くれぐれも自身のお体をご慈愛くだされ。
敬具
君へ、僕から。
かしこ