春が二階から落ちてきた。
この書き出しから物語がはじまりまるのが
伊坂幸太郎氏の小説『重力ピエロ』です。
彼の言葉を借りるなら,ここでの「春」とは
川面に桜の花弁が浮かぶあの季節のことではありません。
「春」とはこの物語の登場人物の名です。
そして,彼の兄の名は「泉水(いずみ)」
どちらも英語にすると「spring」となることから,
彼らの両親がつけたものです。
伊坂作品の素晴らしい所はとにかく「人物描写がすごく丁寧」という事と,
「何気ない場面・状況設定の言い回しが秀逸」という事でしょう。
今回の重力ピエロも冒頭の「春が~」のくだりが
春という人物を端的に表しており,非常に想像しやすいんです。
簡単に作品を紹介しましょう。
【重力ピエロ】~家族の絆とは~
泉水と春。実はこの兄弟には半分しか血のつながりがない。
母親は同じだが,父親が違うのだ。
しかし彼ら家族はお互いを思いやり,
優しさで包まれたとても温かい家族だ。
そんな彼らの周りでは不思議な出来事が続く。
仙台市内のいたるところで発生する放火。
更に突如街角に描かれるグラフィティアート(落書き)。
春に付きまとう謎のストーカー女。
それぞれの思惑と,様々な事件の点と点が
一本の線になったとき,物語はある真実へと行き着く。
遺伝子とグラフィティアートを結ぶキーワードとは・・・
本当の家族の絆とは何か,
心の底から考えさせられる作品です。
遺伝子分野の用語が多用され,
巧妙にそれらが絡んでいく話の流れは,
改めて伊坂氏の非凡な才能を知らせしめます。
白状してしまいますが,わたしは一度読んだだけでは
10のうち4くらいしか理解できませんでしたね。
2度目で「へ~ここから繋がっていたのか・・・」なんて言う始末。
伊坂作品の中でも格式の高いものですね。
その『重力ピエロ』が映画化されます。
公開は5月23日(舞台となっている仙台では先行公開4月25日より)
キャストが素晴らしい。
兄の泉水役が加瀬亮さん。
『ハチミツとクローバー』や『それでも僕はやっていない』などでの演技が好評。
弟の春役にはイケメン岡田将生くん。
『天然コケッコー』でデビュー。あの頃よりも明らかにオーラが出てます。
そして今回の春は彼にぴったりです。期待しています。
更に父親役に小日向文世さん。
彼なしに日本映画・脇役部門は語れません。
今回の父親の役柄もバッチリフィットしています。
そして・・母親役は鈴木京香さん。
もう今回の母親役はベストです。イメージ通り。
彼女は仙台出身ですしね。
この4人が織り成す家族のハーモニー。
とても楽しみにしています!♪
かしこ