試験を終えて家に帰る途中,僕はにやけていた。


今回は・・・多分・・・

念願の400点に手が届きそうな気がする。


いや,届いている実感がある。


2日目の試験も王子が言うようにしっかり対策をして臨んだ事もあり,

かなりの手ごたえを感じた。


そんなことを考えながら歩いていると自然と顔もほころぶ。


足は段々早歩きになり,一刻も早く王子に伝えたかった。


『ただいまぁ』


“おかえりなさい。今日は疲れたでしょう?”

“今日はゆっくり休みなさい”


『うん。あ,そうそう。今回のテスト結構自信あるんだ』

『きっと母さん,びっくりするかもね』


あらそうなの,

という顔の母さんにVサインをして僕は2階の部屋に戻った。


部屋に入るとクーラーをガンガンにかけて王子がスイカを食べていた。


「よう,お帰り。お前の分もあるから食っていいよ,ほれほれ」


『あざ~す』

僕は三角に切られたスイカを一切れつまみ,

はぐっと食べ始めた。


「んで?どうだったよ?説明してみ」


『はい。え~と今回は結構自信があります』


「ほう~言うねぇ~。ホンマに大丈夫かいな。」


僕はあれこれ王子にテストの状況を説明し,

テストの見直しをし始めた。


案外,できていると思っていたところもミスっていたけど,

それでもいい感じだ。明日以降の授業が楽しみだなぁ。


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数日後,全てのテストが返却された。

結果は以下のとおり。


国語:78点(目標85点)↓

数学:86点(目標75点)↑

英語:87点(目標80点)↑

理科:81点(目標75点)↑

社会:80点(目標85点)↓

合計:412点(目標400点)↑


やったー!!目標達成どころか12点も上回った。


テストが戻ってくる度にドキドキ・ワクワクだった。

こんな気持ちホントに初めてだ。


テストが戻ってくるのがこんなにも楽しみだなんて,思いもよらなかった。


友達も僕の点数を見てびっくりしていた。


前回から見たら100点以上もアップしてるのだから当たり前か。。。


家に帰り母さんに全ての結果を発表したとき,

母さんは目をしろくろさせて涙ぐんでいた。

あんなに喜んでくれるなんて・・・頑張ったかいがあった。


その晩は父さんにもむちゃくちゃほめられて,

僕はご満悦だった。


何か変化があったのか?と父さんに尋ねられた時は

ちょっとドギマギしたけどね。

『いや実はエンピツ王子という家庭教師が居候していてね・・』

な~んて口がさけても言えませんからね。


『うん。。何というか,目標を持つようにしたんだ』

と随分大雑把な事を言って楽しいひと時を終えた。


部屋に戻ると王子はマンガを読んでいた。


「おう,どうだった?父ちゃん,母ちゃん喜んでくれたか?」


『ええ,ものすごく喜んでくれました。』

『あんなに喜んでくれるなんて予想外ですね』


「そうか。親ってのは自分のことより子どものことが大切なんだよ」

「自分達よりもこの子を何とかしてくださいって思うんだな」


幼稚園児みたいな王子が,

さも悟ったようにうなずいてこちらを見ていた。


「まあ,何はともあれおめでとう。目標達成だな。」


『はい,すごく嬉しいです。ドーパミン出まくりです!』


「よし,その成功体験を忘れるなよ。」

「お前はどんなことでも達成できるヤツなんだから」


「それはそうと,来週から夏休みだな?」


『はい。もう夏休みですよ』


「よし,夏を制する者は受験を制するだ!」

「とりあえず夏のスケジュールを決めようぜ」


『よ~し,1・2年の復習しまくるぞ!』

『で?どういう風に決めるんですか?』


「ああ,とりあえずそのカレンダーに遊ぶ予定だけ書き込もうぜ」


『は?遊ぶ予定ですか?』


「おう,そうだよ。遊ぶ予定だ。」


『あの・・・真面目に言ってくださいよ』


「あほか,真面目も真面目,大真面目だ。」

「いいから早く遊ぶ予定を決めろ!」


なんなんだよ・・僕はちょっぴりふくれっつらで

カレンダーに遊ぶ予定を立てることにした。


【本日の宿題


夏休みの遊ぶ予定を立てる


32.僕に休み時間を!  


かしこ