(ー!!
殺気!)

天音を庇うようにしてトンファーを構えると、ドアの所にすがっている赤ん坊がいた。

「なんだ。赤ん坊かい。」

「お邪魔だったか?
クックッ、二人で幸せそうな顔して寝やがって。」

「うるさいよ。
で、何か用かい?」

「九代目から緊急応戦命令がきた。
30分後に出発だ。」

「ワォ。急だね、一週間後の予定だったんじゃないの?」

「急に相手が攻撃を仕掛けたらしい。
いいから用意して行くぞ。」

今ボンゴレと対立し、同じほどの勢力をもつファミリーとの抗争に10代目ファミリーも応援を頼まれていた。
長くなりそうだ。

「天音。」

僕は天音を起こした。

「…?きょうやさん?」

「今から急にイタリアに飛ばなくちゃいけない。
一週間後の任務が早くなってね。」






「…抗争ですか。」

「うん。長くなると思う。暫くここを空けるから。」
「分かりました…
気をつけて下さいね?」

恭弥さんはスーツに袖を通していた。

私はネクタイを手渡した。
「…御武運を。」

「あぁ、行ってくるよ。」
恭弥さんはアジトをでて行った。

どうか、彼がボンゴレの皆が無事でありますように。

願って居られずにはいられなかった。
「…はい?」

「よろしくなぁ。
天音?」

「部屋移動しなよ。
ボンゴレの方に行け」

「イヤっすよ。
移動するの面倒ですもん。じゃぁ俺休みますよ。
失礼しま-す。」

そう言って部屋に入ってしまった。






まさか、このタイミングで南条が帰ってくると思ってなかった。

しかも、天音に興味をもつとは…

あの時偶然公園の横を通りかかって良かった。
南条の天音を気に入ったと言ったのは、目が本気だった。

天音は本気にしてないだろうけどね。


これから長期でボンゴレ本部からの任務がきている。

厄介だな…






私は風呂からあがって廊下を歩いていると、廊下に恭弥さんが立っていた。

「…?どうしたんですか?」

突然担ぎ上げられた。

「ちょっと!?恭弥さん?
どうしたんですかっ?」

「南条に何かされた後だったら遅いからね。
今日からここで寝なよ。」
と言って自分の横を叩いていた。

「…何にもしないで下さいよ…」

「ワォそれはしてほしいのかい?」

「違いますよ!
もう、南条くんはきっと本気じゃないですって!」

「天音は単純だね。
ほら、寝るよ。何もしないから。
明日も大学あるんでしょ?」

「はい…
おやすみなさい…」




もう寝てる…
本当に早いよね。

まさかこの時は思いもしなかった。

天音にはあんな力があるなんて…
「恭弥さん!
南条くんのこと知ってるんですか!?」

「………。
南条薫、ボンゴレ10代目唯一の雲部隊。
風紀財団の重要な役目もはたしてる。
この半年、姿を見てないけどね。
沢田に長期休暇を取ってたらしい。」

「じゃぁ、恭弥さんの部下っていうことですか!?」

「そうなるね。
…こないだ遊園地行ったのも南条かい?」

「はい…」

「…やっぱり。
帰るよ、天音。」

そう言って早々と歩いて行ってしまった。






「で…、何で君がいてるの。南条薫。」

「今日から復帰する事になったんで。
よろしくお願いします。
大学行きながらになりますけど…」

うわぁ、空気がピリピリしてる…

沢田さんの顔もひきつっていた。


「まぁまぁ、二人とも落ち着いて。
ほら、大学いる時に天音ちゃんの護衛にもなりますし…」

「…気に入らないから、噛み殺す」

「えっ?ちょっと雲雀さん!?」

ボス室が凄い事になってる。
沢田さんは必死に弁解してるし、南条くんは楽しそうに応戦していた。
南条くんの戦闘スタイルは恭弥さんと似ていた。短刀とも言えないちょっと長い刀をトンファーのように両手に握っていた。


もうそろそろ止めないと、ヤバイ、ここが半壊してる。


「恭弥さん!
ストップ!ダメです!
止めてください!」

そう言って、恭弥さんの背中にくっついた。

すると3人はピッタリと動きを止めた。


「…帰るよ。」

「失礼します!
沢田さん、ごめんなさいっ」
私は一礼して部屋を出た。

「南条くん…何でこっちなの?」

「あれ?知らなかったか?俺の部屋はお前の部屋の横。」


「…。」

沈黙が流れた。