「今日からお世話になる河田天華です。
よろしくお願いします。」
私は河野天音ではなく、『河田天華』として、働き始めた。
仕事は着物を着てお客さんに酌するのが仕事となった。

南条くんはと言うと…

「み、南田薫子です。」

完全に裏声。
なぜか、女の子…。
沢田さんからも女装しろと言われたらしい。

着物を着て化粧したら、女顔負けの美人になった。

「かわいいよ?
薫子ちゃん。」

「うるせぇっ」

薫子の命名は私がした。

女の子が気に入らないのかちょっと不機嫌だし。

「もうちょっと、ましな役所なかったのかよ。
板前とかさ。」

「いいの!かわいいから。ほら、行こ!」



「天華」

「あの、スーツ着たおっさん気を付けろ。」

「…分かった。」

南条くんと廊下ですれ違った時に言われた。

そういえばスーツ着て目付きが悪い人達が多い。

あの人達が沢田さんの言ってた人達なのかな?




この仕事って結構大変。
お客さんの前では絶対笑顔だし、脚触られるし、お酒臭いし…
慣れるのに2週間くらいかかった。



私達はいつも通りマンションに向かっていた。

「南条くんってどうやってマフィアになったの?」

ずっと気になってた事。

少し南条くんの顔が寂しげに見えた。

「…。
公園、寄るか?
話聞いて欲しいんだ。」

私はゆっくり頷き南条くんの後についていった。