怖い夢を見た。
 
恭弥さんが、離れて行っちゃう夢。
 
今は夜中の1時くらいかな?
 
恭弥さんも南条くんも哲さんも出張で、このアジトにいるのは、私一人だった。
もう一回寝ようとするけど、なかなか寝つけない。
 
「どうしよう…」
 
一人で居るのは怖いし、誰かに話相手になって貰うにはこの時間は遅すぎる。
 
そんな事を思いながら廊下を歩いていると、無意識に恭弥さんの部屋の前に立っていた。
 
ある思い付きが、私の頭にひらめいた。
 
「恭弥さんは明日の朝が帰りのはずだし…
大丈夫、だよね?」
 
私は、恭弥さんのベッドで体を休めることにした。
だって、恭弥さんのベッド何か落ち着くんだもん。
 
少し気が引けたが、あんな夢を見た後だから、余計に一人で居るのは怖かった。
私は恭弥さんのベッドに入るとスグに眠りの闇の中に意識を落とした。
 
***
 
「んー、疲れた!」
 
欠伸をしながら南条はそう言う。
 
出張が早めに終わったため、アジトに戻ってきた。
 
いつも通り、天音の部屋に直行。
 
今、彼女は間違いなく熟睡している頃だが、一ヶ月ぶりに早く顔を見たかった。
天音の部屋に入るとベッドにいるはずの天音本人がいない…?
 
布団に触れてみると、微かに熱が残っていた。
 
「恭弥さん、どうかしたんすか?」
 
いつの間にかドアにもたれかかって欠伸をしている南条がいた。
 
「天音が、いなくなった。」
 
「…はい?
でもさっきこのアジトの入口の履歴見ましたけど、俺ら以外で出入りしたのは、最後、四時でしたよ?」
 
ということは、まだこのアジト内に居るということか…。
 
じゃぁ、どこにいる?
 
「「…。」」
 
二人は沈黙に包まれていたが、その沈黙を破ったのは南条のとんでもない思い付きだった。
 
「…そうだ!恭弥さん!俺か恭弥さんのどちらかが天音を早く見つけれるか勝負しません?」
 
「…は?」
 
「勝った方が今夜天音に添い寝できるということで!」
 
「何言って「よーいスタート!」…!?」
 
南条はそう言った後急いで廊下を走って行った。
 
向こうで急に立ち止まりこちらを振り返る。
 
「先に天音の額にキスした方が勝ちっすよ!」 
 
そう言って廊下の向こうに消えた。
 
…早く見付出さないと、大変な事になる。
 
それだけはどうしても避けたい。
 
こうして恭弥もこのゲームに参加せざるを得なくなった。
 
 
 
***
 
大広間に風呂、トイレに台所…このアジト全てを探したが、天音は見付からなかった。
 
…どこだ?
 
「恭弥さ-ん、天音何処にも居ませんよ?」
 
南条はボンゴレの方まで探しに行ったようだが何処にもいなかったらしい。
 
後、探してない所と言えば…
「…!」
 
まさかとは思うが、心当たりが一ヶ所あった。
 
その場所に向かって歩き出した。
 
 
***
 
ドアを開けてベッドの方を見てみれば、少しだけ毛布が盛り上がっていた。
 
「…いた。」
 
なんというか、拍子抜けだ。
 
どうしてこんな所で寝ているのだろうか?
 
そんなことはどうでもいい。
僕は天音の額に唇を寄せた。
 
あの後南条が何かしら文句を言っていたけど無視。
 
天音を見ているとだんだん睡魔に襲われ始めたからその本能に従って彼女の横で眠ることにした。
 
 
勝者,雲雀恭弥
 
 
 
 
(き、恭弥さん!?
い、いつのまにっ!!?)
 
(おはよう。
僕は眠いから寝るよ。
おやすみ。)
 
(ちょ、恭弥さん!!??
は、離して下さい!!
う、動けないっ!!)
 
(…やだ。)