旦那さんが帰宅した
 
 
 
小さな骨壷に入って…
 
 
 
昨夜は一晩中
旦那さんの姿を
眺めていた
 
 
 
棺の扉を閉めたら
涙が止まらなくなり
声をあげて
泣いてしまった…
旦那さんの大好きな
未来予想図Ⅱが
流れて
アタシの涙はさらに
止まらなくなった
 
 
二度と鳴る事のない
旦那さんからの
着信音
旦那さんと過ごした
約5年の歳月が
走馬灯の様に
頭に浮かんでは消えた
 
 
 
 
 
キャデラックの助手席に
位牌を持ち座った
後部席には
遺影を持った息子と娘が
座った
 
 
 
火葬場へ着くまで
誰も話す事はなかった
 
 
 
遺影は
五月に結婚式の代わりに
写真を撮った時の
タキシード姿
 
 
 
告別式の間中
涙が止まらなかった私と娘も
 
 
棺が火葬場の炉に入る瞬間
身体中の力が抜け
もう諦めた…
 
 
 
 
 
 
呼び出しのアナウンスが
流れるまで
アタシはひたすら
タバコを吸っては
消していた
 
 
 
着付けの先生の義母が
初めて着せてあげるのが
喪服だなんてねと
泣いていた…
 
 
 
義母に着せてもらった喪服は
5号だったけれど
痩せてしまった身体には
余るほどだった
 
 
 
あんなに泣いた
アタシと娘も
焼き上がったお骨を見たら
もう現実を受け入れる他に
なかった…
 
 
 
ついに…
この世界から
旦那さんの身体が消えた
 
 
 
愛おしい
旦那さんが
消えた
 
 
 
 
大切な人が
明日も必ず元気とは
限らない
 
 
 
こんな
拙いblogでも
読んで下る方々が
いらっしゃれば
 
 
アタシからお願いがある
 
 
 
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大好きな人を
毎日精一杯
愛して下さい
 
 
 
別れはいつかは
誰にもわからないから
 
 
 
 
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猛吹雪の北海道
 
 
入院中は
絶対安静で
ずっと入浴出来なかった
旦那さんの為に
湯潅は
お風呂式を選んだ
 
 
 
髪も綺麗に洗ってもらい
入浴中はずっと
絶食だった為
こけた頬を少し
ふっくらさせてもらった
 
 
 
最期の時から
湯潅までつけていた
結婚指輪と
ネックレスは
外してもらって
アタシの首にまた
ぶら下げた…
 
 
 
旅立ちの装束を着た
旦那さんの目から
涙がポロリと
流れた
 
涙…流れるんだね…
 
 
 
悔しいでしょ…
これからだったのに
 
 
 
辛かったでしょ…
ずっと痛みと
戦って…
 
 
 
背の高い旦那さんは
大きな柩に
収まった
 
 
 
もうすぐ
この家を出る
 
 
 
次に旦那さんが
帰って来る時は
もう
人間の姿ではないんだね…
 
 
 
明日の告別式まで
しっかりと
この目に
貴方の姿を
焼き付けておくよ…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
旦那さんを
葬儀やさんの寝台車に乗せ
 
 
お義母さんとお義父さんと
帰宅し
現実味の全くない
葬儀の打ち合わせをした
 
 
 
時計はすでに
朝6時
 
 
 
それからは
友達たちが
自宅に
お別れに来てくれた
 
 
 
今にも
なんだよって
起きそうな旦那さん
 
 
ただ眠ってる様にしか
私には見えない
 
 
 
でも
冷たい身体が
命がない事を
物語る
 
 
 
 
お義父さんと
お義母さんが
近所のスーパーへ
涙雨の降る中
出掛けた
二本貸したら
一本でいいよと
相合い傘で
家を出た
 
 
 
後ろ姿を
眺めていたら
涙が溢れた
 
 
 
アタシ達も
あんな風に
歳を重ねるはずだった…
 
 
 
明日は通夜だ
 
 
 
喪主として
旦那さんを
しっかり送り出さないと
ならない
 
 
 
 
涙は枯れない事を
知った
 
 
 
命があっても
なくても
愛が変わらない事も
知った
 
 
 
アタシはいつまでも
旦那さんを
変わらなく
愛してる
 
 
 
愛し続ける
 
 
 
 
明後日には
旦那さんの
姿が
この世から消えてしまう
 
 
 
灰になってしまう
 
 
 
冷たくなった唇に
何度もキスをした
 
 
 
 
白雪姫の様に
生き返る気がしたけど
やっぱり無理だった
 
 
 
 
旦那さんは
 
 
 
もうすぐ
姿を変える
 
 
 
 
だけど
きっといつも
アタシの側に
これからもいる
 
 
 
 
潔く
別れを選んだのは
旦那さんの
私への最後の愛情だったんだと思う
 
 
 
無駄にしない
 
 
 
この先もアタシは
旦那さんを
愛し続ける