塾が潰れている・・・!?
俺は、急いで、家に帰った・・・
そして、1年前に解約したケータイを、机の引き出しから取り出した・・・
電源を入れ、サヤのケータイ番号を、メモリーから慌てて探し出す・・・
その番号を見ながら、家の固定電話(子機)を手に取り、
サヤのケータイにすぐさま電話してみた・・・
しかし、すぐに受話器から聞こえてきたのは、見知らぬ女性の声だった・・・
その言葉は・・・
「・・・お客様のおかけになった
電話番号は・・・
現在使われておりません。」
・・・!!
どうやら、1年という月日は、俺が思っていた以上に長かったようだ・・・
まさかケータイを解約していたなんて・・・
次に、1年前、塾の先生を一緒にしていた窪田先生に電話してみた・・・
窪田先生「はい、もしもし?」
俺「あっ!窪田先生ですか!?」
窪田先生「おぉ!!その声は!!久しぶりですねぇ~♪」
俺「はい♪それで、突然ですけど、聞きたいことが・・・」
窪田先生「何ですか!?」
俺「塾・・・潰れたんですか!?」
窪田先生「えっ!?潰れてないですよ!?どうして!?」
俺「えっ!?だって、塾のあったテナント・・・
売物件になってましたけど・・・」
窪田先生「あぁ~!!2月に移転したんですよ!!
違う場所に!!」
俺「あぁ!!そうだったんですか!!」
・・・そういうわけで、塾が移転した場所を教えてもらい、
すぐにそこに向かったんだ。
しかし、着いてビックリした・・・
そこは、前の塾のテナントの半分の面積しかないようなビルの一角で、
とても、塾が運営できるとは思えなかったからだ・・・
スタッフルームだけで、一杯なんじゃ・・・!?
そんな不安を胸に、とりあえず、そこを訪ねてみた・・・
入り口には、確かに塾のネームプレートが貼ってある・・・
ココで間違いはなさそうだ・・・
俺は、扉を開けることにした・・・
俺「こんにちは・・・」
見知らぬスタッフ「こんにちは・・・どちら様でしょうか?」
俺「あっ・・・自分・・・留学する1年前までココで塾講師をしていた者
ですが、また、働かせていただきたいと思いまして・・・」
見知らぬスタッフ「あぁ・・・そうですか。
ですが、塾はご覧の通り、2月にココに移転してからは、
縮小の方向になっておりまして・・・
家庭教師にシフトを変えてるんですよ・・・
ですから、塾自体は、現在、新たな講師を
必要としていないんですよ・・・」
俺「そうなんですか・・・わかりました・・・
ところで、今、塾に残っている生徒は誰がいるんでしょうか?」
見知らぬスタッフ「・・・そういったことは、
部外者の方にお話できない規則になっておりますので・・・」
俺「・・・そうですか・・・わかりました・・・では失礼します・・・」
見知らぬスタッフ「はい・・・」
俺は塾を出た・・・
何か・・・1年前とは随分、雰囲気が変わっていた・・・
あの良くも悪くもアットホームな雰囲気が、
何か冷たい堅苦しい雰囲気に様変わりしていた・・・
俺は、直接、窪田先生に聞くことにしたんだ・・・サヤのことを・・・
窪田先生「はい、どうしました!?」
俺「あっ!!さっきはどうも!!
実は、今、塾に行ってきたんですけど、
何か雰囲気が変わってて・・・
スタッフが冷たいってゆーか・・・」
窪田先生「あぁ~!!もしかして、そのスタッフって・・・
色黒で、眉間にホクロのあるヤツじゃなかったですか!?」
俺「そうそう!!」
窪田先生「そいつ・・・正社員です・・・」
俺「へっ!?そうなの!?」
窪田先生「はい・・・そいつが常駐するようになってからは、
いろいろ厳しくなっちゃって・・・こっちは大変なんですよぉ~!!」
俺「そうだったんだ・・・ところで、塾の生徒って、
今、誰が残っているの!?」
窪田先生「えっ!?誰って・・・誰のことが聞きたいんですか!?」
俺「・・・例えば・・・石野とか・・・」
窪田先生「あぁ~♪先生の彼女さんじゃないですか!?w
あれ!?連絡取ってなかったんですか!?留学している間・・・」
俺「はい・・・」
窪田先生「え~!?先生もなかなかひどいですねw
あんなカワイイ子放っておくなんて・・・浮気してても知りませんよ!?」
俺「はい・・・それでどうなんでしょうか!?」
窪田先生「まだ、塾いますよ♪」
俺「そうですか!!何曜日います!?」
窪田先生「金曜日ですよ♪」
俺「何時ごろ、指導終わってるかわかりますか!?」
窪田先生「多分、8時半くらいだったかな・・・」
俺「ありがとうございます♪」
俺は、その週の金曜日、早速、塾の外で彼女を待った・・・
時計は8時半を過ぎた・・・
その時!!
・・・!!
彼女が塾から
出てきた!!
俺は彼女の方へ駆け出し呼びかけた!!
俺「サヤ!!」
彼女「・・・!?」
俺「俺だよ!!俺!!」
彼女「・・・せ、せんせぇ!?」
俺「そうだよ!!久しぶり!!」
彼女「・・・せんせぇ・・・」
そう言って、突然、彼女は泣き崩れたんだ・・・