2019年以来、5年ぶりとなる

Kiramune Presents READING LIVE 「幻視探偵 密室の中の亡霊-マボロシ-」

を観劇してきました。

わたしが観劇したのは1日目夜(Aチーム)と2日目夜(Bチーム)。

 

これまで数年見てきたREADING LIVEの中で一番魅了された演目、

ずっと再演を待ち望んできたのがようやく、ようやく満を持して再演!ということで

いつものようにパッションのまま感じたまま考えたままに感想を綴っていこうと思います。

 

まずはいつものあらすじから。

 

平成の名探偵と謳われた暁玄十朗は、幻視探偵という奇妙な二つを持つことで知られている。その助手・斗真摂理は、高慢で気難しい変人ではあるが数多くの事件を解決してきた暁の活躍を支えてきた。
そして時代は令和。暁はある事件以降、長らく依頼を受け付けておらず、
摂理は不調を抱える暁を気遣う毎日を送っていた。
あるとき、暁の元へおよそ100年前に起きたという過去の事件を解決してもらいたいという奇妙な依頼が舞い込む。
それは「黒書館」と呼ばれる曰く付きの館で三条虚霊が謎の死を遂げた密室殺人事件、『黒書館殺人事件』であった。

 

ドドドドミステリーですもう大好き~!!!!!

早速、各登場人物にスポットを当てて話していきたいと思います。

 

 

 

黒書館の人々 

 

 三条透(保住有哉さん・吉永拓斗さん)

▶黒書館殺人事件にて殺害された三条虚霊の遠い親戚にあたる青年。今回、黒書館の取り壊しを半年後に控えるなか未解決である事件の真相を明らかにしてほしいと暁へと依頼する。

 

13日夜の保住くんからのコメントでもあったように、

異彩を放つ人物が多い中でいたって普通、かつ登場回数は少ないながらも

私たち観客と近い目線に立っている彼の問いかけが「暁が語り掛けている相手」=「斗真摂理」とはいったい何者なのかを考えるきっかけ、物語に疑問・考察の視点を与えてくれる非常に重要な役どころであると感じました。(これは初演の時に自分自身の中でまったくなかった視点なのでとても嬉しい気づきだし演者の方から聞けたのがさらに嬉しかった)

 

透が玄十朗から黒書館殺人事件の幻視について説明を受けて

虚霊について「大切な人を失って心が弱っていたら、たとえ幽霊でも会いたくなるかもしれない」(うろ覚え)と言っているのが、もし摂理を"幽霊"だとするのであれば玄十朗の心の弱い部分=摂理が関わる部分ということなので、摂理はまさに玄十朗の心の傷を表す存在でもあると捉えることができるのがすっごく深い意味のある台詞だなと思ったんだよね、オモロ~~~~!!!!

 

拓斗くんの透は玄十朗(with摂理)とのやりとりのシーンで

摂理の台詞が挟まる部分を上手く間を調整して語尾を少し重なる形で掛け合いしたり

幻視について説明したあと暁のことを摂理が「正気なので安心してください」(?だいぶうろ覚え)って茶化しながら透に声をかけた後に発する「わかりました」を声量小さめにさらっと言うような表現が見られて、透には摂理が見えていなくて暁と1対1で会話をしている雰囲気を上手く出していたのがとても細かいながら印象的でした!

 

 

 

 浅野宗一(代永翼さん・木村良平さん)

▶医師で、虚霊の弟子として交霊会に収集された、事件容疑者の一人。かつては心霊や魔術の存在を信じ、医学に応用することで多くの人を救えるのではないかと希望を抱いていたが、雪を救えることができなかったそれらに対して懐疑的になっている。

 

Wキャストの違いが如実に現れた人物の一人。

宗一は医師でありながら自分の手でなかなかお雪さんを救うことができずに歯痒い思いをしながら虚霊の作る"妙薬"に頼らざるを得ず、恐ろしい薬についてお雪さんに話してしまい、それがお雪さんが自ら命を断つ原因になったのではと話していたけれど

無力感や虚霊への怒りを吐露するシーンが代永さんと良平さんで全く違くて…!

代永さんはベースの宗一が人のいい中間管理職のサラリーマンっていう感じ(?) その後、殺人の動機について語るシーンは虚霊への憎しみよりも自分が犯してきた”罪”に対する懺悔・苦しさの色が濃い印象を感じたかなぁ

リーライ感想特集のキラビーで、うぃんぐは

最初のうちはしっかりとしていた宗一から政次を巻き込んでしまったりお雪さんに秘薬を飲ませてしまっている罪悪感からどんどんビクビクしていく感じで作っていったとおっしゃっていたのがまさしくそれだったなと…!

 

それに対して良平さんは激情型の宗一という感じで、冒頭では少しやさぐれつつも穏やかな雰囲気だったのが一転して独白のシーンではお雪さんを自殺へと追いやった虚霊に対する恨みと怒りがあふれ出していたのがすごく印象的だったかなぁ

良平さんはキラビー内で他の弟子2人に寄らないような形にしたのと、宗一は土台のメンタルは安定していて大人だが事件の時においては一番やらかしてメンタル崩れてるというギャップがあることからみんなに見せている表の顔と独白の裏の顔で差を出すお芝居をしたとのこと。全体を俯瞰して見つつキャラクターを作り上げていくのが良平さんらしいなぁ~

 

 

 

 鹿島正次(前野智昭さん・古川慎さん)

▶軍人で、虚霊の弟子として交霊会に収集された、事件容疑者の一人。国のために雪の力を利用できないかと考え彼女に近づくが、心惹かれるようになる。ある事がきっかけで黒書館を去ることとなる。

 

正次は元々結構キャラ付けがハッキリしてる役だよな〜って思っていたけど、まえぬとまこにゃんで結構雰囲気変えてきていて、でもどっちも正次ってこんな感じだよな〜って思わせる自然なお芝居だったので馴染んでいた印象ある


まえぬ正次は親しみある近所のお兄さんって感じ。黒書館に到着した場面での清に対する声のかけ方とかがまさにそれで、妹にもすごく懐かれてそうなキャラクターだったなぁ

キラビーでも言っていたけど、まさか秘薬のために殺人を犯していたとは思えないような元の人の良さを感じていたからこそ、そのあとのお雪さんのために手を汚すことに対する苦悩や妹を殺されたと思い虚霊に対して怒りを向ける場面とのコントラストがすごくてお芝居の切り替わりがとてもハッキリしていたかなぁと。

眼帯つけてお芝居してたの台本見づらくないんだろうかって思ってました、お疲れ様でした


まこにゃん正次はいかにも"軍人"って感じの堅物なキャラ付けだったから、この正次がお雪さんに惚れてしまったのか…!お雪さんなんて人なんだ…!って頭抱えてしまったので正雪CPのエピソードちゃんと欲しい(ハ?) 正次がお雪さんに心奪われて殺人にまで手を染めることになってしまうのあまりにもヘキですね、ハイ


正次も宗一と同じくもともと想定していたキャラから大きく離れることなく自然と入り込んできた記憶

 

 

 笹木三郎(江口拓也さん・大塚剛央さん)

▶作家で、虚霊の弟子として交霊会に収集された、事件容疑者の一人。黒書館から出ることを許されなかった雪を、自分が外に連れ出すことができていれば彼女を救えたのではないかと考えている。

 

三郎、初演の4年半前からずっと「青春×切ない初恋枠男」だとばかり思ってたのにえぐぅの三郎がお雪さんへの想いを募らせすぎたガチ根暗陰湿粘着質男になっていてそんなことある!!!!?????ってなったのすごくおもしろかったなぁ 怪奇作家としても活躍している、お雪さんを外へと連れ出すことができなかったことをずっと悔いて自分を責め続けているという背景から、確かにそういった人柄になる可能性も全くなくはないのに黒書館に閉じ込められているお雪さんを救いたいと駆け落ちをするような人ならきっと好青年だろうなぁっていう先入観があって…この江口三郎はいいギャップというか衝撃を受けて三郎に対する解釈が広がった気がしてとても楽しかったー!!!虚霊に対して募らせている恨みつらみがまさに”怨念”って感じで不気味だったんだよね……

 

役作りにおいては優しい人柄を根底に作りつつ犯行に及んでしまう危うさ、お雪さんを失ったことでどう変わってしまったのかという描かれていない部分を追求したそう

失ってから自分を責め続けてどんどん暗くなっていって…という作り方をしていったと言ってたのが面白いな~と

「そういうアプローチをしないと今までの三郎像を打ち崩せないと思った」という言葉にただただ納得

でも、きもくてデカくて邪魔だったってことねって良平さんに言われてたのはほんとに草

 

 

それに対して大塚剛央さんが演じる三郎はまさに「青春×切ない初恋枠男」にふさわしい、いかにも好青年って感じでささった、、、、さわやかでお雪さんに対する想いがとても切なく伝わってきてメロすぎたよ

 

 

 

 

 三条虚霊(島田敏さん・古川登志夫さん)

▶心霊研究家。幽霊だけでなく、超能力や黒魔術などオカルトの知識に傾倒していた。不治の病に侵された娘・雪の治療のため、『屍食教典義』を解読し、あらゆる病を払うことのできる秘薬を作り上げた。しかしそんな折、雪が謎の自死を遂げる。

雪の死の真相を知るために虚霊は交霊会を執り行うが、そこで彼は何者かに殺されることとなる。

 

初演から続投のお二人でした!

個人的には長年活躍されている大ベテランの声優さんのお芝居に触れることができるのもリーライの醍醐味というか楽しさでもあるので今回もとてもありがたかった~

島田さんは気難しく、雪に対する想いと自分が生涯を通して信じているものの存在がなかなか認められない歯がゆさ・悔しさ・怒りを湛えた混沌とした感情がすっと心の奥に入ってくるようなお芝居をされていた印象でした

父親らしさがセリフのところどころで感じられてた

対して古川さんは「心霊や秘薬・魔術書に憑りつかれた狂人」という言葉そのままに、狂気に溢れたお芝居が凄まじくて心底恐ろしさを感じた

虚霊もお二人それぞれでベクトルが異なっていて改めて面白いな~と感じました

 

 

 田辺清(堀江瞬さん・上村祐翔さん)

▶100年前、黒書館に暮らしていた書生。事件当時も館にいながら交霊会に参加しなかった唯一の人物。事件の数年後、当時の様子を手記に記録している。
 
清は純粋無垢でぽやぽやそうに見えて一番策士だったと言うね……でもこれ、最終的には玄十朗の視た"真相"では清が犯人となっているんだけど、なにせ100年前の未解決事件だからほんとの真実は確定していないんだよね

 

3人の弟子たちが自分の苦悩や後悔、お雪さんへの想いを清に吐露していく場面もあるけど、

これだけ自然に彼らの想いを引き出すというか吐露させるような存在の清という人物って何者なんだ、、、?という疑問も浮かんでくる

清は実はお雪さんの死んだ弟なんでは説も最後にちらつかせていて観客を「清って…?」って混乱させにくるとこほんとずるかった👊🏻 まんまと引っかかってますもん

 

 

 

 

探偵と助手______"斗真摂理"という存在 

暁玄十朗▶探偵。自分の力を過信し、誰に対しても傲慢で尊大な態度をとるため、助手である摂理のフォローが欠かせない。彼の言う『幻視』とは、彼の推理の手法の一つで、証言や物証などから、さながら目の前で寸劇が行われているかのように推理した光景を目の前で見られるため。幻視により数多くの事件を解決してきたが、一年前の事件によりある悩みを抱え、依頼を全て断っていた。
斗真摂理▶その助手。探偵・暁玄十朗の活躍を側で見守る。対人コミュニケーション能力が壊滅的な暁に代わって、事件関係者とやりとりし、ときには尻拭いすることも。情に厚くて涙もろく、事件に深く感情移入してしまいがちになる。暁のことを究極の駄目人間だと思っているが、同時に世界一の名探偵だとも考えている。


この作品について語る上で特に重要なのは"斗真摂理"は果たしていったい何者なのか一年前の事件で銃弾に斃れたことで「幽霊」となったのかはたまた、暁の言うように「頭の中で作り上げた亡霊」=「妄想」なのか、ということだろう
公演の終盤で黒書館殺人事件の”真実”を玄十朗が透に対して告げた後で透が玄十朗に対して抱いた”違和感”を彼に話す場面が、観客をそれまでの黒書館殺人事件の謎からその命題、すなわち、私たちがただ玄十朗の相棒として、この黒書館へと共にやってきた人間であると認識していた"斗真摂理"という人物に対する違和感へと誘うフックとなっているのがとっっっっても面白いところ。

 

透「暁先生は時々、姿の見えない誰かとお話していますよね?それは先生のおっしゃる幻視の中の人物なのでしょうか?」

そう問いかけられた時の玄十朗の表情がずっと忘れられない、、、泣き出しそうな寂しそうな表情をするんだよね、神谷玄十朗がその表情してた時に思わず息止まっちゃった、神谷さんそんな表情を見せてくれるんだ…!?って

その問いかけに対して玄十朗は

「彼は私の妄想の産物です。私の頭の中にしか存在しない、いわば『密室の中の亡霊』です。彼は私の幻視には必要不可欠な存在なのですよ」と返す。

 

 

この彼の台詞から「摂理=玄十朗の頭の中の亡霊」という1つの解が得られたと思うんだけど、でもそれはその前にあるシーンの玄十朗のセリフとは相反する意味合いに取れるんだよね…

玄十朗が3人の弟子による犯行を幻視したにもかかわらず「これは真実じゃない」

一年前の事件が忘れられず、間違うことに怯えて「僕はあの事件でおかしくなってしまったんだ…」と思い悩む場面。

そこでの摂理と玄十朗のやりとりが印象深い。

 

摂理「傷が痛むのかい?」

「君は間違ってなんかいない」

「君が間違っていなかったと証明してくれよ、名探偵!」

 

玄十朗「証明…」

「証明…!そうか、証明…!!やはり私はおかしかった!普段の私ならものの数秒で解けていたというのに、君のせいだぞ斗真摂理!君という存在がいるから私は幽霊などというものを信じてしまっていたんだ!」

 

摂理の発した「証明」というワードをフックに、玄十朗は

「黒書館殺人事件で行われた交霊会は、お雪さんの霊と交霊することが目的ではなく三条虚霊が『心霊』の存在を『証明』するために行われたもの」「そこで清に刺された虚霊が彼の甘い言葉に従う形で密室を作り出し、自らが被害者ながら犯人が存在しえない殺人事件を作り出すことで『心霊』の存在を知らしめようとした」という"真実"にたどり着くわけなんだけど、

玄十朗の「君という存在がいるから幽霊を信じてしまっていた」という台詞からは「摂理という"幽霊"がいるからその存在を信じていた」という意味に取れてしまうんだよね

心霊の存在を信じて主張する摂理の影響を受けて誤認していたという意味に取れなくもないけど、結局のところどっちなのかは明らかにされておらずで…観客の解釈に委ねているんだろうな(これがまた面白さの1つでもある)

わたしはまだどちらかに結論づけることはできていないのだけど、10月の続編でその部分にも触れることになりそうなので10月の続編を観劇してさらに解釈を深めていきたいなと思ってます

 

 

話が変わるんだけど、

摂理に「君は何年僕の助手をやっているんだ!!!」と何度も言う玄十朗に対して

苦しみを吐露する玄十朗のことを諭すこのシーンの1回だけ摂理が「君は何年僕の名探偵をやっているんだい」と優しく問いかけるのがマジでやばい、良すぎる、、、、

「君はこの黒書館殺人事件を解決するのが夢だと言っていたが、それは名探偵の助手である僕の夢でもあるんだ」とも言ってるの激アツだったな~~~

先の場面での「名探偵であることを証明してくれ」という摂理の願いは、すなわち「名探偵の助手である自分の誇りを証明すること」でもあるわけだから、摂理は玄十朗に対して彼と同時に自分自身の価値証明も願っていたということでしょ、、、、、

この二人あまりにも良すぎケミだワ、、、、、、

 

☝chouwakaru

 

 

玄十朗と摂理が「斗真摂理は玄十朗の頭の中の妄想かそれとも幽霊か問題」で言い合いしてるシーンで、

玄十朗「妄想だ」

摂理「幽霊だ」

って繰り返し言い合っている最中は摂理が玄十朗の方を、玄十朗が客席の方を見ているんだけど、

「探偵を立ち上がらせるのは助手の役目だから」という摂理の台詞きっかけで玄十朗が彼の方を向いて会話をするようになるんだよね

そこが玄十朗が摂理の方へと歩み寄ろうとする姿勢を見せる流れに繋げててちょっとエモいんだけど

その後、「いやいやいや!」ってツッコミ否定するからこっちもいやいやいや今のちょっとのエモさ返しなさいよッ!……ってなるw

 

 

 

 Aチーム:暁玄十朗(神谷浩史さん)・斗真摂理(吉野裕行さん)

リーライ再演前に開催された2019初演の上映会を見てたのでAチームは特に初演と比較して見ることができた気がする!

 

初演の神谷玄十朗はひねくれていたけれどベースは意外と明るめの性格なような話し方をしていたんだよね

でも今回はガチで偏屈だし人当たりも良くないし、特に自責の念がすごく強いように演じられていた印象を受けたかな~、

最初に摂理に「事件が君を待ってる!」と言われた時に目の前のことすべてに対してやる気が見出せず、虚無感が強いような

それに対して吉野摂理がまぁ面倒見がよくて熱い男なんだよね~~~、この対照的な凸凹コンビ感ある二人だけど摂理の熱い想いに感化されて少しずつ本来の気性というか事件を推理し解決する楽しさを思い出していく玄十朗の姿がとても眩しくて…

「ああ、本来の玄十朗はこういう人でやっぱり名探偵なんだな」と思わせてくれる、本当の暁玄十朗をわたしたち観客に見せてくれる導き手が斗真摂理であるという位置づけが吉野摂理の在り方なんだと思った

玄十朗の隣に立って肩を掴みながら力いっぱい起き上がらせるようなタイプの摂理ね


あと、神谷玄十朗がほんとに卑屈なひねくれキャラだったからこそ

玄十朗「いつになったら成仏するんだ?」

摂理「僕達に相応しい事件をいくつか解決したら……消えてやってもいいかな」

玄十朗「そうか…」って返してる時の玄十朗の寂しそうな笑顔がブッッッッ刺さった

悪態ついてたくせに摂理のこと大好きじゃん、、、そうだよね摂理がいなければ自分の幻視は成立しえないんだもんね、、え、好きじゃん〜〜〜〜😭😭😭って泣いた 神谷玄十朗そういうとこだぞ



この二人の玄十朗・摂理は元々ある脚本の人物からキャラを大きく逸らしていないんだろうな、という印象を受けてたけど

水島さんの呟きを見るにその感じ方は合っていたみたい

一つ一つの言葉や場面に緻密な色を持たせて、丁寧に丁寧に深く深く作り上げていくようなお芝居がこのお二人ならではだな、と改めて感じる公演でした

 

 

 Bチーム:暁玄十朗(浪川大輔さん)・斗真摂理(岡本信彦さん)

第一に、浪川玄十朗のビジュが好きすぎるんだよなぁ、、、色気がすごくてずるい

 

浪川玄十朗の特徴がそのビジュアルで、ウェーブでくるくる少し長めの髪の毛にサングラス、トレンチコートをたなびかせるまさにジョニーデップ…じゃない、変わり者の探偵、といった感じ

気づいている人が結構多そうだけど彼は幻視をする時にサングラスを外すアクションを入れてたのが神谷玄十朗との違いとしてはわかりやすいかも!

性格は明朗快活というかお調子者・チャーミングなキャラクターで、「推理を聞いてくれ!」って楽し気に披露するようなそんな感じ。だから最初はダルそうにしていたのに幻視について説明する時や実際に披露する時はテンション高め、結構元気になっててちょっとかわいかったな~、思い悩むシーンは少し子供っぽさを感じて泣きそうで…寄り添ってあげたくなるような印象

神谷玄十朗よりもほぼ確でコミュ力高いわ、浪川玄十朗

キラビーで良平さんが言ってた「だらしないハードボイルド探偵」って言ってたの言い得て妙

岡本摂理はわんこっぽい後輩感がある助手、少しあどけなさを感じさせるキャラクターだったかなぁ

玄十朗に対してはツンツン突っ込んでいくようなやりとりが多かったイメージ

ただふとした瞬間に思慮深さや表情の影が垣間見えた時に玄十朗を優しく見守る包容力も感じて、岡本摂理はミステリアスさと言うかわたしたちが感じ取れていないいろんな想いを抱えてそ~!!!クソデカ感情抱えてそ~!!!って思いました(まとめ方)


のぶはキーとなるセリフをその直前とは打って変わってゆっくり間を取って情感を込めて話すようなお芝居をすることが多いんだけど、今回も「君は何年、僕の名探偵をやっているんだい」が少し切なさを湛えた声色で優しく語り掛けるようで胸が締め付けられた、、、涙腺ゆるゆるでした

 

Aチームが元ある本に対して緻密にお芝居を作り上げていたのに対して、Bチームの二人は崩すことで生まれる新しい表現や違った面白さがいくつも見られてて興味深かった〜!

もともと浪川さんとのぶはイベントの朗読劇とかでもアドリブを積極的に入れる印象は多かったけど、今回も絶妙に入れてきてて、のぶに至ってはメタ発言とかもしてたのほんと笑った 浪川さんの様子を見るにほんとにアドリブだったんだろうなw

玄十朗は回し台詞多いし頭使ってるから急にアドリブ入れられたら頭が混乱しそうw そこも元々のキャラクターから離れない形で返してたのはさすがだなと思いました👏🏻(アドリブの細かい内容は忘れたので調べてみてください〜)

 


今回もやはり演出が最高に神がかってた 

 

拙者、紗幕スクリーン大好き芸人と申す__________

初演を観劇してから幻視探偵の演出が大好きすぎて、時折いろんなシーンを幻想みたいに頭の中に思い浮かべる4年半を過ごしていて前回のアンフィシアターから舞台の構造が大きく変わる中でどのように演出するのかなって少し不安にも感じていたんだけどそんな不安は杞憂でやっぱり紗幕スクリーンの使い方と映像が最ッ高でした

 

キャストさんたちもおっしゃってたけど、まず最初のオープニング映像の魅せ方、美しすぎる

玄十朗の「黒書館殺人事件について説明しなければならないな_______」という台詞から優雅で厳かな音楽が流れ始めて

閉ざされていた前幕が開いた先に洋館と100年前の事件の人物がそこに佇んでいる、

映像と音楽に合わせて1人1人にカメラが向いて、それぞれが様々な表情を浮かべていて…

まさに探偵小説の世界へと一気に惹きこまれていくようなオープニングは大好きすぎるって、、、こんなん嫌いな人いないじゃんね

再演の音楽もとっっても素敵だったので後生だからサントラのCDください…泣

初演はクラシック音楽をベースとして怪しさ、妖艶さ、優雅さを感じさせる音楽ばかりなんだけど

今回は切なさ、繊細さを感じる音がいくつかあって情感溢れる楽曲が多かった印象ある

こっちもこっちで大好きでした、、、、!!!!!

 

明治・大正レトロな世界観×ミステリーはあまりにもヘキに刺さってた、そこにファンタジー要素も加えられたら好きじゃないはずがないんだけどセットが好きすぎる 曰く付きじゃなければ黒書館に住みたいもん

 

 

幻視探偵と言えば!な、玄十朗の台本がセットのあちこちにあって取り換え差し替えしながら話が進んでいく演出、やっぱりマサミ神のアイディアだったらしく最高ですわ、、、になったよね(キラビー286回より)

今回、迷惑だろうなと思いつつマサミさん宛てにこの演出好きです!こういう解釈をしたんですが合ってますか!って感想をぶつけるお手紙を書いたんだけど(爆)

複雑な演出にも対応できるという神谷さん浪川さんへの信頼はベースにありつつ、

玄十朗だけこの台本の演出があったのは、黒書館のいろいろな場所や残された文献資料・手記へと触れていって事件の謎を解くカギを拾い集め推理していく流れとかけたんだろうな~と予想を立ててた

あと…!!!!最後に玄十朗が辿り着いた"真実"が記された本は玄十朗の胸ポケット?襟の内ポケット?(演出上、客席に背を向けているから見えなかった> <)に入っていた手帳にあって、まるで「真実はずっと近くに、彼自身の中にあった」ということを表現しているようでめちゃくちゃ鳥肌立った~~~!!!!!ガチで勝手な解釈なので意図していないんだろうなって認識はあるけど解釈は自由なので勝手にエモくなっていようと思います、ハイ

 

あと台本系で言うと、2日目夜はわたしの立川ステージガーデン参戦歴史上最高に席が良かったんだけど、冒頭の探偵事務所のシーンで玄十朗が持っている雑誌の表紙が「Kira」だったのジワってた

こういう細かい演出に込められた遊び心や楽しくてどこからも目が離せなかったので終演後は目がバッキバキだった それもまた幸せ也


清の犯行の幻視で事件当時、清がお雪さんのフリをするところ、

いきなり書斎にお雪さんのマネキン出てきたのめちゃくちゃびっくりしてたら1日目夜は白いワンピースだったのに2日目は黒?の花柄ワンピースに微妙に変わってて爆笑した

全公演見てないから毎回違かったのがチームによって違かったのかはわからないんだけど、エッ、これはそれぞれの清の好みですか???????笑笑笑


前回は交霊会で灯りが消えた後も普通にお芝居されていた気がして、今回は事前収録で音声を流す形になっていたの初演と違うかも…!

小さなライトがあると言えど、ほぼ真っ暗な中で動いたり台詞を言ったりするの結構大変だし危ないと思うので無理のない演出でよかったな~とぼんやり(?)思ってた



玄十朗が苦悩して摂理と話しているシーン、初演のアンフィでは2人がステージ上でぐるぐる回ってるセットの動きをしていてそれが玄十朗の思考の混乱とリンクしているようで良かったんだよな〜ってぼんやり思い出してたんだけど、

今回二人のキーとなるやりとりの場面はサス残しやサイドスポットの照明の使い方が多くて、暗闇を背景に二人に光を絞ることで舞台上の情報量も減らしてストレートに二人の掛け合いを際立たせる表現でこっちも好きだった〜〜〜ッ!!!

ただただ二人の言葉、やりとりに没入できる演出がさらに胸に沁みる場面を作り出していて最ッ高でした………



そして、初演と大きく違う部分の1つである

続編予告への繋がりの演出も最高だった………


最後に我らが警部殿から事件に関する電話がかかってくる場面で

初演は「孤島の洋館で起こった殺人事件」だったのに再演では「…笹嘉神島?」に台詞が変わった時点でもう続編察してたけど明らかに最高すぎる変更点でその時点で叫び出しそうになってた、、、


そのあと捌ける時に、玄十朗が最後に持っていた台本を置いて新しい本を手に取って捌けていった流れも良すぎたよね、、、二人のバディ10周年にふさわしい事件を解決しに行こうじゃないか!の後の流れがこれだよ⁉️狂うて

 


これ、神谷さんの提案だったらしい、、、エグイ


神谷さん、幻視探偵を何度もやりたくないやりたくないってグチグチ言ってたのに(グチグチ文句言ってるのも立川ステージガーデンの悪口言うのもアンフィをディズニーに取られて怒ってたのもすべてがかわいいけど)

水面下では続編公演の準備を少しずつ進めていて、なんなら再演の虚霊お二人の出演オファーも2年ほど前からしてくださってて、こんな最高な形で続編公演の発表を提案してくれていて……胸がじんわりあたたかく幸せな気持ちになりました泣きました

わたしにとって本当に大好きで大好きで特別な演目だから、そこを神谷さんたち演者の方々や運営の方々も大切にしてくれているのを"感じさせてくれる"ことがとてもありがたくて幸せです




長々と感想を語ってきましたが、幻視探偵の再演、改めて本当にありがとうございました!!!

人生で出会った朗読劇の中でも特別大切な作品なので、年月が経ってもこうして改めて物語に触れることができたこと、玄十朗と摂理の続きを見ることができることが本当に幸せです。

10月も参戦できますように…!


ここまでお付き合いいただいた方がいらっしゃったらありがとうございました!


他の方の感想も知りたいので良ければマシュマロかXのリプかコメントお待ちしてます〜!