C-CHERRY -35ページ目

いつか。

旅に出たいな。
余計なものは一切捨てて。


そのままのあたしで。





いつか、日本中巡りたい。
相棒は安いギター。

三郎さん。

うちの店は駅前の超高層ビルに入ってるんだけど。
うちの店の前のエスカレーター前スペースで、なんかライブしてたんですよ。
多分地元で、ライブハウスとかで活動してる人達。
路上人みたいな人もいたし、SaxとかTpとかも。

でもとにかくみんな下手くそで。
「あれだったら、さぁが唄うか楽器吹いた方が人集まるんじゃない?下手すぎで営業妨害だよ」ってお店のみんなもご立腹。


早退する時ちらっと見たら、佐藤三郎さんが唄ってました。
みんな下手くそだったせいで、ひとくくりにされてお客さん全然いなかったぁ。。
かわいそう。。



三郎さんは、あたしが初めてお酒のんだ日にライブハウスで会ったひと(たぶん)。
ちょっと昔を思い出して、せつなくなりました。

男の子になりたい。

男の子の気持ちを知りたい。


大好きな人をちゃんと守れるような自分でいたい。


気持ちだけじゃなくてさ。


守られるだけじゃなくてさ。



どんなときに女の子を愛しいって思うんだろう。


どんな風に守りたいって思うんだろう。




あたし、生まれ変わったら男の子になりたいな。


好きな人がいたら、あたししか知らないそのかわいい笑顔を、守ってあげたいって、思うかな。



ギターももっと上手に弾けるかな。


大きな手でさ。


ピアノだってきっと、オクターブも余裕で指が届くでしょう。

優しい低い声で歌が歌えるでしょう。



今よりもずっと高いところから世界を見れるし、電車のつり革も辛くないだろうな。


スポーツだって体は軽く動くんだろうな。




今よりもずっと安定した味のコーヒーをいれられるし、料理ももっと上手になるはずで。


人ゴミに埋もれて気分悪くなることもないだろうし。



何より、帰り道、怯えて早足になることだってない。

後ろを振り返ることもできなくて、背中が固まってしまうこともないでしょう。




男の子に産まれてれば、こんなに辛いことなかったのに。












あたし、次は男の子になって産まれたい。