ぶぅとぱおの冒険 ~金色のお花畑をさがして~ 第3話 前編 | さく さく さくらんぼ

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 ぶぅとぱおは海岸沿いを進んでいきました。海はおひさまの光を浴びて輝いています。
海って本当に綺麗だね。
そうだね!チャッピーが言っていたみたいに、ここからいろんな場所につながっているんだよね。
ぱおはそういうと、海の向こうに何か見えないか目を凝らしてみました。しかし、そこはキラキラ光る波がただ行ったり来たりしているだけです。
もしかして、金色のお花畑にもつながっているかもしれない!
ぶぅが突然大きな声で言いました。ぱおは驚いてぶぅを見つめました。
この海の向こうに?
そうだよ!だって海は世界をつないでるってチャッピーが言っていたもの!
ねえ、ぶぅ。まさかこの海の向こうへ行くっていうの?
ぱおがたずねると、ぶぅは笑顔でうなずきました。
世界で一番綺麗な場所なんでしょ?だったら、この海の向こうにあるにちがいないよ!
ぱおも、自信たっぷりなぶぅの様子を見ているうちに、だんだんそんな気がしてきました。
よし、じゃあ行ってみる?あの海の向こう側へ!
うん!あの海の向こう側へ!
二人は勢い込んで言いましたが、どうやってあの海の向こうへ行くのか見当もつきません。
どうやって行けばいいんだろう?ぼく、こんな深いところ泳げないよ…
ぱおは不安げに言いました。ぶぅも、小さくうなずきました。ぶぅは、水に濡れるのが得意ではないのです。そのとき、海の中から黒い大きな何かが浮かび上がってくるのが見えました。
ねえ、あれはなんだろう?
ぶぅがぱおに尋ねました。ぱおも首をかしげて、その黒いものをじっと見つめています。すると突然、大きな噴水のようにその黒いものから水があふれ出しました。

ぶぅとぱおはびっくりして叫びました。すると、のんびりした穏やかな声が聞こえてきました。
やあ、どうしたんだい?
二人はあたりを見回しましたが、この黒いもの以外周りに何も見当たりません。
ねえ、いましゃべったのは…きみ?
ぶぅが、その黒いものに話しかけました。
あぁ、ぼくだよ。こんにちは。今日はいい天気だね。
黒いものはとても気持ちよさそうに言いました。
こんにちは、ぼくはぶぅ。
ぼくはぱお。きみはだあれ?
やあ、ぼくはコウ。よろしくね。こんなところで何をしているんだい?
金色のお花畑を探して旅をしているの!
ぶぅがチャッピーにもらった貝殻をにぎりしめながら言いました。ぶぅはチャッピーが使っていた旅という言葉がとても気に入ったのです。
そうか、きみたちは旅人なのか。
コウがキラキラした小さな黒い瞳で興味深げに二人を眺めました。
ねえ、きみは何なの?
ぶぅが真剣にそう尋ねると、コウは大きな声で笑いました。コウが笑うたびに、周りの波が立って二人に水しぶきがかかります。
ぼくが何かって?ぼくはくじらさ!この海をすいすい泳いでる。のんきに暮らしているのさ。
コウの水しぶきでびしょ濡れになりながらも、ぶぅはこの言葉を聞きのがしませんでした。
すいすい泳いでる、だって?ぱお、コウに乗せて行ってもらおうよ!そうしたらすぐに着くよ!
ぱおは、少し不安げに言いました。
でも、ぼくたち二人が乗ったりしたら、コウは重くて沈んでしまうんじゃないかなあ?
大丈夫さ!ぼくは、とっても力持ちだからね!前に迷子になったイカを三十匹くらい、家まで運んでやったこともあるんだよ!
コウは笑顔で請け合いました。ぶぅとぱおにはイカがどんなものか全くわかりませんでしたが、きっととても重いものなんだろうと思い、少し安心しました。
本当?じゃあぼくたちを、海の向こうに連れて行ってほしいんだ!
ぶぅが勢いよく言うと、コウは少し困った顔をしました。
海の…向こう?
うん!向こう!
ぶぅは笑顔で大きくうなずきました。
きみたち、向こうだっていろいろあるじゃないか。ほら、西の方とか、南の方とか…
二人には、コウの言っていることが全くわかりませんでした。
にし…?
みな…み?
そんな二人の様子をみて、コウが言いました。
いいかい?きみたち。旅をするなら方角がわかっていなくちゃいけない。ほら、これをご覧。
コウが見せてくれたのは、不思議な丸い箱でした。ふたは透明で中には赤と白の針が入っています。そして、コウが動かす度に、その中の針がくるくる回るのでした。
これは…なに?
これは、コンパスさ。

きみたちコンパスを知らない旅人っていうんじゃないだろうなあ!この針が、どこへ行ったらいいかを示してくれるのさ!
そうなの!?じゃあ、ぼくらが探しているお花畑がどこにあるか、わかるってこと?
あぁ。コンパスさえあればな!
ぶぅは嬉しくなりました。
じゃあ、コンパスさんに教えてもらわなくっちゃ!お花畑はどこ?
コンパスの針は、くるくると回り、三人が今いる場所からちょうど、斜め前をさしました。
わあ、やっぱり海の向こうにあるんだ!向こうへ行けば、お花畑に着くんだね!
コウもコンパスをのぞきこんで言いました。
よし、北だな!じゃあ、乗せて行ってやるよ。ほら。
そういうとコウは後ろを向き、二人が乗りやすいように、砂浜にひれを出しました。二人はそのひれを伝ってコウの背中に登りました。コウの背中はつるつるしていてすべりやすかったのですが、平らになっていたので、二人は背中のてっぺんへ落ち着きました。
いくぞ!それっ!
コウは掛け声をかけて海の中を進んでいきました。二人がいた砂浜はだんだん遠ざかっていきます。海はおひさまの光を受けてキラキラ輝き、風は心地よく二人の間を抜けていきます。
ねえ、コウはずぅっとここにいるの?
ぱおが尋ねました。
いいや。ぼくは、この広い海を、ずぅっと泳ぎ続けているのさ。そりゃあ一休みしたり、誰かと話をするために止まったりはするけどね。
じゃあ、この世界がどんなに広いか君はよく知っているんだろうなあ。
ぶぅは少し羨ましそうに言いました。コウは少し考えてから言いました。
そうだなあ…世界の広さはよく知っているかもしれないね。こうやってずぅっと泳ぎ続けているから、寒い海もあれば、暖かい海もあって、魚がたくさんいる海もあれば、あまり多くはいない海もあるということはよく知ってる。でも、たまに羨ましくなるときがあるんだよ。
何が羨ましいの?そんなにいろんなものが見られるっていうのに。
ぶぅは首をかしげました。
それはね、群れで楽しそうに泳いでいる魚たちを見た時や、自分の家があるタコのような生き物さ。彼らは自分の居場所があって、仲間がいて、いつもおしゃべりしている。ぼくはいつも一人だからね。気楽な時もあれば寂しい時もあるもんなんだよ。
ぶぅとぱおは、一人でこの海の中を漂うことを想像してみると、不安な気持ちになりました。
そっかあ。きみはとても勇敢なんだね!この海を一人で旅しているんだもの。
ぱおは、コウの寂しさを考えると、いてもたってもいられなくなり、そっとぶぅに言いました。
コウの寂しさを和らげてあげられるなにかいい方法はないかなあ?
ぼくもそれを考えていたんだ。ぼくたちがここにずっといるわけにはいかないし…。
そうしてぶぅは少しの間考え込みました。しばらくしてぶぅは笑顔で言いました。
海の中に、コウの仲間ができれば、寂しくないんじゃないかなあ?
それは素敵だね!でも、仲間ってどうやったらできるんだろう?
二人は考え込んでしまいました。その時、二人の目の端にチラチラと何かが見えました......



後編へつづく...