次の日、
彼の鞄に入っている
ボイスレコーダーを確認する。

まずは、
ペン型のそれを取り出して、
充電しなきゃ。
長い時間オンにしてたから聞くのも大変だろうな。

会社で仕事しながら聞いても大丈夫かな、
なんて妄想したりしながら。

うまくとれててほしい気持ちと
最中のリアルな音声を聞きたくない気持ちと
どちらが勝っているか、
自分でもわからなかった。


そんなことをぼんやり考えながら
鞄を開けてみる。








びっくり
え?



ない?



?!?!


ないの。
ペン(型のボイスレコーダー)が!

よくよく探したけど、やっぱりない。


もしかして気づかれた?
ばれたから処分しちゃったの?

なんで????



焦る。





やっぱり、どこにも、ない。



もしかして、
気づかれた?
なのに、なにも言わない?

言わなくても怒ってるよね。。。

普通、信頼されてる妻から
こんなことされたら、
監視行為されたら、
嫌だよね。

どこになにがある?と
疑心暗鬼になるし
なにより相手のことが信じられなくなる。
嫌いになる。

かして、
辛かったよね、
不安にさせてる俺が悪い
なんて思わないはず。


それなのに、
なにも言わず、
なにも聞かず、
ただ普通にそばにいてくれた。





ボイスレコーダーがなくなって悔しいのと、
ばれる途いう大誤算。

これは本当に大きな失敗。
深く反省。


同時に、
そんなことをした私を責めない彼をすごいと思った。
ありがとうと言いたい。

本来のゴール途は違うけど、
ある意味成功。
彼の優しさを感じることができたから。




ありがとう。ありがとう。


もう、
盗聴なんて、やめる。。。ね!