だめぱんだが北京に留学したらこうなった

だめぱんだが北京に留学したらこうなった

だめな大学院生が北京大学にうっかり留学してしまうとどういう目に遭うのかをリアルタイムに観察することができます。

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北京に来て丁度一ヶ月。

環境に慣れるため、といういいわけもそろそろきかなくなってきますので、ちゃんと専門の勉強もしないといけません(^-^;


私は中文系の古典文献に所属している関係で古典籍の版本が大好きです。なんか古い本って見てると楽しくなってきますよね!?


そういう我々の欲求を満たしてくれるツールが図録です。

北京でも早速いくつか買ってきましたので見せびらかしたいと思います。



《第十三届北京国际图书节 中国书店海外回归古籍展》


これは琉璃廠の中国書店で買ってきました。なんと今年の八月に出たばかりのものです!

「回帰古籍展」というのはつまり、中国経済が非常に発展した影響を受けて、日本や欧米諸国が中国から昔買っていった古典籍を今度は中国人が海外に買いに行くということが最近頻繁に起きているわけですが、そういった買い戻し品を専門に展覧している、ということです。


そういうわけで、こんな風に日本語の書き入れの入った本や日本人の蔵印がついた本がたくさん載っています。


中には清代の特に珍しくもない刊本や石印本など、「なんでこんなものわざわざ買ったんだろう」と思うようなものもところどころありますが、六朝写本とか宋板大蔵経の一部とか、寺社から流れたと思わしいものを中心に驚くような逸品も載っています。



《二〇一一年秋季书刊资料拍卖会(二)》


こちらは海淀橋の中国書店の前の路上でおっさんがビニールシート広げて売っていたものです。15元でした。

宋元板!『瀛奎律髓』って専門外なので読んだことないですが、元明間刊本はもしかして現存最古なんじゃないでしょうか……?




王重民先生批校本簡明目録!


これはテンション上がります。すごいです。値段の欄に恐ろしい数字が書いていますが……-_-;


私たちにできるのは、こういうものがどこの国の人であれ電子化もしくは影印して公開しようという機関・人の手に渡ってくれることを祈るだけです。


古典籍の保存や公開については色々な意見があると思います。確かに貴重書を誰にでもべたべた触らせるなんていうのはあり得ないことでしょう。ただ、私は北京での師匠がよく口にされる、「誰も利用できないような形で保管してしまうのは作者や出版者にとって不本意なことだろう、人に読ませるために一生懸命書いて板に彫ったのに」という言葉に賛同したいと思います。

日本にいた頃、ある日の研究室。


Zさん(留学生)「日本ってまだ元号使ってるんだね」

私「そうだよ、今が平成でその前が昭和だよ」

Xさん(留学生)「中国も今でもあるよー」

私「えっ!?」

Xさん「え?知らないの?今年は慶豊三年だよ」


詳しく聞いてみると、2013年12月28日に習大大(習近平国家主席)が慶豊包子舗というかなり庶民的な軽食チェーンを視察してそこで食事をしたことがニュースになり、ネット民の間でその日以降を慶豊元年とするというネタが広まったのだそうです。


その話を聞いて一度行ってみたいと思っていたのですが、それを友人に話したところさんざんな評判でした。


広東人「慶豊?超まずいから行かない方がいい」

北京人「北京で一番まずい。俺は二度と行かない」


いやいや、そんなにまずいならここまで有名じゃないでしょう……と思いつつもやっぱり怖くて、今日やっと行ってきました。



とりあえず店に入って、豚肉大葱・豚肉三鮮を注文する。おばちゃん、勝手に豚肉梅菜(高菜みたいなものです)を打つ。


私「あれ、大葱と三鮮だよ」

おばちゃん「あー、それ両方もうないから梅菜にしとくね」

私「……」


別に梅菜嫌いじゃないからいいんですが。

梅菜の包子と、あとはメニューにあって心惹かれた皮凍(豚の皮の煮こごり)をテイクアウト。

包子は3個で3.5元(70元弱)、皮凍は8元(160円弱)と、まぁもうちょっと安いとうれしいけどしょうがないかなぁ、というくらいの価格。


↑これが豚肉梅菜包で、



↑これが皮凍。


味の方はというと……


包子は具も普通くらいに入っているし、別に味がまずいわけではないんですが、皮が妙にパサパサしています。

経験上北方で食べる包子はみんなこんな感じで、南方人のみならず南方に行った経験のある北方人もよく罵っていますから、慶豊が特別にまずいというわけではないと思います。


皮凍は味は普通だと思うんですが、生臭い……

南方に滞在していた頃よく食べたんですが、こんな生臭さはありませんでした。皮が新鮮じゃないのかな?でも多分慣れたらなんとも思わなくなる程度だと思います。


結論から言って、包子だけ買って帰るならそこそこリーズナブルで味のレベルも北方では平均的だと思います。

友人たちが言っていたほど酷い場所ではないです。店舗によるのかもしれませんが……


それにしても習主席、日本では考えられないような人気です。包子食べるだけで元号制定されてしまうのではおちおち外食もできません。日本で安倍首相がカツカレーを食べたからってカツカレー元年なんて誰も言わないでしょう(笑)


ネットでは習主席が行った慶豊は何店か、ということが話題になっていましたが、どうやら地下鉄二号線・阜成門駅西南にある月壇店だそうです。

近くに行った人はぜひ!

北京に来てまだ二週間ですが、中国にあるけど日本にはなくて便利だなーと思ったものもあれば、日本にはあるけど中国では手に入らなくて困ったものもあります。


今はかなり流通が盛んなので、日本に住んでいてもピータンとか老干妈(日本で留学生宿舎に遊びに行ったらどの部屋にも必ずあると言われる、辛そうで本当に辛い食べるラー油)みたいなものは、華僑が経営している店の情報さえ中国人ネットワークから教えてもらえば簡単に手に入ります。


私も日本では頻繁にそういう店で買い物して時々友達と火鍋パーティしたりしていたのですが、しかし、なんでもかんでも輸入されているわけではありません。


フリーズドライのおかゆ。


フリーズドライのおかゆ自体は検索するとアマゾンで出てきたので、日本に全くないというわけではないと思うのですが、私は日本で二十年以上暮らしてきて多分一度も見たことがありません。

以前南京に滞在した時にスーパーでいっぱい売っていてよく買っていたのですが、北京では米のおかゆを食べる習慣が南方ほど一般的ではないため、最寄りのカルフールにはありませんでした。

これは积水潭の物美で売っているのを見つけて大人買いしてきたものです。



こんな粉みたいなものにお湯を入れると……



こうなります。ピータンは自前です。忙しい時の食事におすすめです。

逆に、日本では普通に売っているけど中国ではみつからなくて困ったもの……私の場合はこれでした。



水出しできる茶葉。


私はひどい猫舌で真冬でもコーヒーはアイスしか飲まない人間なので、北京に来てすぐスーパーを必死に探しましたがどうしてもありませんでした。「能冷水泡的...(冷水で出せるやつ……)」と言っても、「は?どういう意味?」って言われるだけで。


日本通の友人に聞いたところ、「確かに日本には冷たいお茶を飲む習慣があるけど、中国にはそもそも冷たいお茶を飲むっていう概念がないからそれは絶対に見つからないよ」と言われ、結局親戚が中国に来る時についでにもってきてもらいました。


みんな冰茶(ペットボトル詰めの甘い紅茶や緑茶)飲んでるじゃないか……輸入したら売れるだろコレ……と思いましたが中国の人は普通、学校にある給湯器でお湯を補充しますし生水を飲む人は都市部にはあまりいなさそうなので(農村では井戸水をそのまま飲む光景をよく見ましたし農村出身の友人は水道水を直飲みしていましたが、都市出身の別の友人はあり得ない、そんなこと誰もやらない、と言っていました)、みんな水出し茶葉を買っても扱いに困るのかもしれません。

僕は北京人、というか広く北方人の話す中国語が苦手です。やたらと巻くし、ごにょごにょ喋ってハッキリしないし……(そうじゃない人もいるんですが)

日本人と話していても、やはり北方訛りの中国語は無理だ、という人がとても多いように思います。


そこで、北京人が話す中国語を学ぶ教材はないか、と考えたところ、とてもいいものをみつけてきました!




<<袁游>>


中国で最も人気の歴史教師といわれる袁騰飛氏が各地(多分全部北京)に遊びに行って喋りたいことを喋るというテーマの動画です。ただ、内容はやはり歴史絡みの話が中心のようです。中国の動画サイトで検索すればすぐにヒットします。


袁氏には《这个历史真靠谱》(書名を訳すとすれば『この歴史マジなんすけど』みたいな感じでしょうか……?靠谱は可靠、信用できる、という意味の若者言葉ですがそれに当たる日本語の俗語がわかりません^^;)という著書もあり、ベストセラーになったそうです。


袁騰飛氏は生粋の北京っ子で、いつもバリバリ早口の北京訛りで話します。しかも俗語・若者言葉タップリです。結構過激な放言が多く、当局に拘束されたとかその手の噂が絶えませんでしたがまだ活動していたようです。


実は袁騰飛氏は自分の授業を録画したものを以前からネット上に公開していて、僕も日本にいた頃から北京人の言葉に慣れようと思って少し見ていたのですが、あれは殆どが生動画で字幕がないんです。


これは授業の録画と違って画質・音質も高い上、字幕もついているので北京人の言葉に慣れるために絶好の教材だと思います。少し見てみましたが、それ以前の講義に比べると話す速度もゆっくりですし言葉遣いも穏当なように思います(昔見た動画では「流氓国家什么玩意儿」とか僕が見てもこれはまずいんじゃないかと思うような言葉が飛び交っていました)。


ただし、この袁游はどうかわかりませんが、昔北京出身の友人にこの人の別の動画を見せたところ、この人の話し方はあまりにもガラが悪いから真似するとケンカに巻き込まれるリスクがある、とのことでした。聞き取れるようにはなるべきだけれどあまり自分でやると危ない、ということでしょう。ご使用の際は用法、用量をお守りください。

授業がはじまって一週間。とりあえず授業が終わって拍手するのにも慣れ、むしろ率先して拍手するようになりました(笑)


週末は中国語の学習に充てるべきか逡巡しましたが、今日は朝から雍和宮駅のそばの北京孔廟に行くことにしました。中国人の友達を誘ったのですがみんな忙しいみたいで、今日は一人。寂しい……


孔廟は地下鉄ですぐにいけます。北京大学東門から4号線で西直門に、そこで2号線(環状線)に乗り換えて雍和宮まで。ラマ寺の雍和宮の方が有名なスポットなのですが、去年旅行で来た時に行ったことがあるので今日は孔廟に専念しました。





これが礼の文献に記載される辟雍(古代の学校)です!ちゃんと四角い建物が円形の池に囲まれています!興奮!


こちらは進士題名碑です。明清時代の進士合格者の名前や本籍が記されています。



乾隆十七年の探花・盧文弨を見つけました。赤線で囲んでみましたが……これはちょっと写真では無理ですね。


ここに来たからには、古籍版本を愛する身としては是非とも『書林清話』の著者・葉徳輝先生を探さなくてはならないでしょう。確か彼は光緒十八年の進士だったはず……



なんと、周りの碑はすべてきれいだったのに光緒十八年の碑だけが著しく損壊していました。葉徳輝といえば、農民起義を茶化すような対聯を作ったことが原因で若き日の毛沢東に処刑された人物。もしや葉徳輝の名前があるから壊されたとか……?-_-;


奥の方の展覧場には乾隆石経が並んでいます。新しいものだからということもありますが、こんなに保存状態のいい石碑がガラスケースなしに見られるというのは大変嬉しいことです。

ここでは小朋友を五人くらい引き連れたおばさんが、彼らに論語を暗誦させていました。おじいさんたちが周りでそれをにこにこしながら見ていました。教育レベル高いな……中国!


礼記・哀公問篇。状態の良さが伺えます。


そしてお土産売り場で不思議なことが。

お土産売り場の店員さんがいきなり英語で話しかけてきたので、僕は、

「不好意思,英文我不大懂(すみません、英語苦手なんで)」

と答えたところ、

店員さん「你会中文啊。我以为你是俄罗斯人(あ、中国語できるの。ロシア人だと思ってた)」

と言って僕のポロシャツのロゴをしきりに指さします。このロゴ、英語なんですが……。


それからはお互い中国語でやりとりしているとおもむろに、

店員さん「你是客家人吧。你口音很强啊。普通话都听得懂吗?(あなた客家人でしょ。訛りキツいよ。標準語全部聞き取れる?)」


まさかの客家人認定。てかきょうび客家人だって標準語話すのは下手でも聞き取りはできるでしょう。確かに日本ではしょっちゅう客家人の親友とつるんでいました……訛りがうつった……?


Ngo jit hee hak gaa nin mee!?(俺客家人なの!?)


この孔廟や雍和宮の近くには有名な天壇と対をなす地壇公園がありますが、地図でその広さを見て今回は断念。いつでも来られるのでいつか来ます。