マイミクは「社章のようなもの」


友人同士をリンクで結ぶ機能「マイミクシィ」(マイミク)が、この応酬をさらにヒートアップさせる。

ユーザーは、別のユーザーにリンク申請して承認されると、自分の「マイミクシィ一覧」上に相手

が表示される。マイミクはいわば、友人である証だ。

 山崎さんは「マイミクは、社章のようなもの」と言う。社章を付けた人は、その会社の社員である

ことを強く意識し、社員としてのふるまいを強化する傾向があると考えられている。A社の社章を

付けた人は、より「A社の社員らしくふるまおう」と意識するといい、社会心理学で言う「役割効果」

が発揮される。

 マイミクも役割効果を持っているという。マイミク登録・承認することにより、「私はこの人とマイ

ミク(=友人)なのだから、友人らしい振る舞いをしなくては」と意識するためだ。

 mixi上では、あしあとを付けたり、日記にコメントすることが友人らしいふるまいとなる。少数の

マイミクだけと付き合っている間は問題ないが、見知らぬ人や1度きりしか会ったことがない人

など「にわか友達」をマイミクに加え始め、全員のページにあしあとやコメントを付ける――という

作業を繰り返していると、だんだん無理が出てくる。

 見知らぬ多数のマイミクと親しく振る舞おうとする努力は、飲食店店員の笑顔のようなものという。

当初は、少ない客に対して心からの笑顔を見せていた店員も、客が増えて忙しくなるにつれ、笑顔

が義務化し、笑顔を作ることに疲れ、ストレスをためてしまう。関係が薄いマイミクにあしあとを付け、

コメントを付けては疲れるという“mixi疲れ”の症状も同じ構造だ。


“mixi疲れ”から抜け出すには


 mixi疲れから脱却するためにはどうすればいいのだろうか。山崎さんは、

(1)mixiは土日だけしか使わない、といった自主規制ルールを決める

(2)マイミクの数を整理する

(3)会ったことがないマイミクと会う機会を作り、自分と合う人か見極める

――といった解決策を提案。最終的には、ユーザーの精神的な自立が必要と説く。

 とはいえmixiは、職場や近所などリアルなコミュニティーの付き合いが希薄となった現代で、その枠

を超えた“社交”を可能にし、日々のストレスをいやしてくれるツール。その意味では「国民栄誉賞も

の」と山崎さんは評価する。

 mixiをコミュニケーションツールとして気持ちよく使うためには、依存からの脱却は不可欠だ。

米国で9000万ユーザーを集めるSNS「MySpace」では、SNS依存についての議論が始まっているという。

日本でも、真剣に考えるべき時が来ているのかもしれない。