彼氏が、

逮捕されたことを私に連絡してくれるか、

どこの警察署にいるのか、勾留されたのか。


情報が全くなくて不安でした。



本当にどこで何をしているのだろう。




そして数日後、勾留通知が届きました。


あ、ここにいるんだ…


手紙とか差し入れ、面会とかできるのかな…?



とりあえず、会いに行こうと思いました。



でも、接見禁止がついていたら何もできません。



N警察署の担当刑事の方に名前を伺っていたので、まずは接見禁止がついていないか電話で確認しました。



すると会えると言われたので、留置管理課に電話を回してもらいました。



「そちらに拘留されているAに面会と差し入れに行きたいのですが…」



というと、こういうことを言われました。



1 面会は必ずしも会えるわけではないこと


2 差し入れは常識の範囲で



1は、考えてみれば当たり前のことです。


警察も慈善事業ではなく仕事です。取調べや検察官に会いに行く時は、会うことができません。


肩透かしになるかもしれないと言われました。


彼が勾留されている場所は遠方で、片道4時間くらいかかるので、お金もかかります。


しかし、無駄足になるかもしれないことは承知して欲しいと言われました。



まぁ、そうですよね。



インターネットで調べたら午前中の方が比較的空いてる…と書いてあったので、ほぼ始発で会いに行こうと思いました。



会えるかな?



会えなかったことを想定して、手紙を書いておこうと思いました。

M警察署からは何の連絡もなく、ただ時間だけが過ぎていきました。



約1ヶ月後。


また朝の5時くらいにインターホンがなります。


…M警察署の人かな?



そう思っていたのですが、N警察署でした。


今度は防護服のような物を着ています。


…え、なんだろう。



そして何もわからぬまま、彼氏は連行されていきました。



全く連絡が取れなくなり、どこでどうなっているのかわかりませんでした。



ただ、心配でした。



ネットで色々と調べることしかできず、

私は無力だと感じていました。



そして、ネット記事で彼氏が逮捕されたことを知りました。



やっぱり、実感はありませんでした。


ただ、彼氏がいないということしか分かりません。



しかも毎日、帰ってくるんじゃないかと思っていました。



そんなはずないのに。


こんにちは。



彼氏の家にいたら朝5時くらいにインターホンが鳴りました。


ぴんぽーん。


ぴんぽーん。


ぴんぽん、ぴんぽん、ぴんぽん。


ドンドン、ドンドン


ドアを叩く音も聞こえます。



「Aさーん!」



彼氏を呼ぶ声が聞こえて、何事かと思いました。



彼氏がドアを開けて何かを話しています。


そして、すぐに服を着替えるように言われました。



なんだろう…



そう思っていたら、スーツの人がたくさん入ってきました。



「M警察署のBです。彼氏さんがね、悪いことしてたんですよ。」



え…



何をしていたのか全く検討がつきませんでした。


事情聴取が進んで、刑事さんから彼が何をしていたのかなんとなく聞きました。


そして、身柄引受人の書類にサインしました。



全く実感がわかず、何も考えられませんでした。


大丈夫なのかな…?



刑事さんたちは物を持って居なくなりました。


こんにちは。


根拠のない自信のある人ってすごいですよね。

私が持っていないものなので、羨ましくなります。



いくら研究しても、いくら勉強しても。

全然なにもできてないし、成し遂げられてないような気がします。



研究費や学振などの業績欄が、とりあえず埋められるくらいの業績はあるけど、みんなそれくらいあるよなと思います。



自分が優秀だとは全く思いません。


努力の天才でもないし、怠け者です。



私はなにもできない人間なんです。



偉そうに大学院の説明や研究室選びのアドバイスをできるほど、できた人間ではありません。



誰かのお役に立てばなという気持ちで投稿していますが、私の話を参考にして成功するかは分かりません。



それっぽいことしか言えないですしね。


DCも落ちて、大学の教員登用も落ちて。


誰からもなにも認められないと、本当にダメなんだと思いますよね。



…大した努力もしてないのに。




なにもなくても、自信がある人はすごいです。


私は、誰かに認められたくて研究しているのでしょうか?

好きだった人のことをたまに思い出します。


「私の物語」シリーズの彼のことです。



私は、いわゆる学振のDC1もDC2も落ちていますがDC2を出した時に、彼から添削をしてもらったのを思い出しました。



もうすっかり連絡も取らなくなってしまいましたが、学振の時期になったので思い出しました。





彼との出会いは学部生の時だったんですが、すごい研究者だなと当時から思っていました。


そして、好きになると同時に尊敬もしていました。



彼ほどすごい人にはなれないけれど、彼に近づきたいという気持ちもありました。



それに、仮に関係がなくなっても。

研究をしていたら、博士号を取ったら、またどこかで彼と会えるんじゃないかと思いました。




今は、あの時ほど好きという気持ちはないけれど、進学のきっかけになってくれたこと、感謝しています。



今度は対等な研究者として、またどこかで会えますように。