出産当日レポの続きです。

仕切りのカーテンが取り除かれました。そこには胸元に私の血をつけたDr. Hがいました。いつものようにリラックスした表情でと笑っています。

Dr. H:「全部スムーズにいったわ。オメデトウ! 前回の傷口はそぎ落としてから切ったから、傷跡が目立たなくなるといいけど。でも体質もあるから、またケロイド状になっちゃう可能性もあるわ。傷口は内側からホチキス針で止めてあるの。ホチキス針は自然に溶けて体には無害だからね。安心して。」

まだ30代半ばのDr. Hですが、やはり彼女にお願いしてよかったな、と思いました。
その後、赤ちゃんは主人に付き添われて、簡単なチェックアップと、目薬を入れてもらうための別の部屋へ。私はリカバリールームへと運ばれました。一瞬離れただけなのにちょっと寂しく感じました。

しばらくすると、主人と赤ちゃんがナースと一緒に戻ってきました。
ナース:「あなたの赤ちゃん、すごくお腹がすいているみたいだから早速母乳をあげてね。」と、言ってその小さな子を私の胸の上にそっと置きました。

え? 母乳っていきなり言われても。。。まだ出ないんじゃあないかと。。。

私の胸元に手渡された赤ちゃん、目薬を差してもらった直後なので、やっと目を開き始めました。
なんて綺麗なはっきりしたグレイの瞳、長い睫。その8か月を一心同体で過ごしたその男の子に「やっと会えたね、私の赤ちゃん。ママだよ。」と呼びかけてみました。。。が、反応するどころか、とにかくすんごい勢いで全身を真っ赤にして泣いています。随分早くこの世に到着しちゃったんだから無理もないよね。びっくりしたに違いない。

私の胸に食らいつく小さな赤ちゃん。昨日までキックしまくって私の膀胱を悩ませていた赤ちゃんが、今は私の胸の上にいる。。。なんだかとっても不思議な感じです。

ナースの言われたとおりに胸をマッサージ?してやると、赤ちゃんには欠かせない栄養の詰まった「Colostrum」なるものが出るのですと。。。ナースのマッサージ、ちょいと痛かったですが、赤ちゃんのためにそれに習って絞り出しました。笑。

このBirth centerでも、母子並びに付添い人1名の滞在できる個室が保障されています。
この出産当日は、お部屋が満員なので、誰かがチェックアウト?するまで待っていて欲しいと言われ、リカバリールームでしばらく待つことに。

そこへ主人の両親が「早く孫の顔を見たい」と、言ってきました。私はおっぱい丸出しだし、嫌だったのですが、とりあえず女性だから、ということで義理母は(授乳中でも)入室OKということにしました。

待望の初孫が生まれて大はしゃぎの義理母。私の気持ちなどはそっちのけで写真を撮りまくっています。そして私に「Oh, he is so beautiful. Thank you, thank you, thank you! 」と言ってきました。私は自分と主人のために出産したつもりなのに、「ありがとう」などと言われてなんだか変な気持ちになりました。

昔見た「大奥」か何かの時代劇で、義理母が「この子はあなたのお腹を借りて生まれてきただけなのよ。殿は世継ぎが欲しかっただけなの」と、言って、産みの母から子供を取り上げるような話が頭をよぎりました。そんなシーンとオーバーラップしてか、生まれたばかりの私の赤ちゃんを嬉しそうに抱く義理母を見てなぜか不快感を覚え始めていました。

多分この辺から産後鬱が始まっていたのかもしれません。
赤ちゃんに会えて喜びいっぱいだったはずの私。赤ちゃんを迎えることを目標に頑張ってきた私。

ところが、ここから予期せぬ産後鬱(Postpartum depression)の日々を体験することになったのです。。。

次回へ続く