お客様対応とは
企業ブランドを、そのまま体現したもの
そんな風に思ったことがきっかけで
二年前から「ブランド」について学び始めました。
ブランド・マネージャー認定協会というところの門を叩き
企業のブランドマネジメント室など第一線で活躍している人たちと
なんとか肩を並べて学び、
ブランドマネージャー一級という資格もいただきました。
で、先日その協会でZoomセミナーがあったのですが
その中で、こんなお話がありました。
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オンラインは網を張るのに便利 離脱率高い
オフラインは手間暇かかる 離脱率低い
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神対応インタビューをし続ける身としては、
PCの前で、首が痛くなるほど、うなずきました。
そう、オンラインは記録に残るけれど
オフラインは記憶に残るんですよ。。
じんわり、そして深く長く。。
今日は、そんなお話のご紹介です。
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誰しも、機嫌の悪いときってありますよね。
仕事で理不尽な思いをしたとか・・
彼や彼女と喧嘩したとか・・
失敗続きで自己嫌悪に陥ったりとか・・
そんな気分でも
やらなければならない用事はあり
それが金融機関に出かけることだったとします。
思わず、窓口の人に
つっけんどんな態度をしてしまいました。
そんな自分に気づき、またまた自己嫌悪に陥り・・
「すみません、今日むしゃくしゃしていて」
と、詫びるのが精いっぱい。
そんなときです。
窓口の人から
「そんなこともありますよね。
そんな時は美味しいものでも召し上がってくださいね」
と、優しい笑顔で返されたら・・
30年以上金融機関で活躍されている神、Aさんの実話。
「おひとりおひとり、状況によって精神状態が違いますよね。
なので、感じが悪いなと思っても、
そこで『好きじゃないな』と思わない方がいいと思うんです」
Aさん、お客様満足や神対応では
私の周りでちょっとした有名人です。
そもそも、社会人をスタートした30数年前は、
お客様満足という言葉もない時代。
しかしAさんは、心無いお客様から言われた
あるひと言から
神の片りんを露わにします。
「あんたじゃわかんないから」
「どうやったら『あんたじゃわからない』
と言われないようなるか
そこから、試行錯誤が始まりました。
いまでも、そのお客様のフルネーム言えますw」
ほら、やっぱりただ者ではありません笑
お仕事するうえで大切なことを
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お客さまを知ること。
お客さまを憶えること。
お客さまを理解すること。
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と、捉えているAさんから、
他にも、お客様とのこんな物語をうかがいました。
■一枚の名刺
思ったことを何でも言葉にし、
ときには声を荒げるご年配のお客さまがいました。
利用頻度も高かったので、Aさんが担当することも多く
その後Aさんが他の支店に異動する頃には
名前で呼び合いながら会話をするようにもなっていました。
異動後も、そのお客様がAさんを恋しがってくださったていたことを
当時の仲間から聞いていました。
そんなある日、そのお客様のご親戚と名乗る方から、
その支店に連絡がありました。
それも、代表電話ではなく、
Aさん異動後も、長くお付き合いが続いていた、
とある社員さんあてにです。
それは、お客様が亡くなったという知らせ。
どうしてご親戚はその社員さんの連絡先を知っていたかというと
その社員さんの名刺が、
お客様の大事な書類と一緒に保管されていたから。
信頼の積み重ね
信頼バトンのリレー。
■マイナス×マイナスはプラス
定額貯金を預けに来られたお客様がいらっしゃいました。
まだ若かったAさん、間違えて10万円も少なく受け付けてしまいました。
間違いに気づき、すぐにお客様にお電話すると
「目の前で数えたじゃないか」
というご返事。
上司に報告し、
その日は金曜日だったので
ひとまず月曜日まで持ち越すことになりました。
「土日は、辞めることしか考えていませんでした」
そして迎えた月曜朝。
お客様から電話が入り
「10万円、家にありました」
その日のうちに、ご自宅まで取りにうかがったそうです。
今でも、このことが起きた年月日まで忘れられないほど、
史上最悪のミスだったと話してくださいました。
で、ここからです。
10年後、定額預金が満期になり、
手続にいらしたそのお客様を担当したのが
Aさんでした。
他支店に異動する直前だったので
「あの時の私です!今度異動するんです」
とお声がけをしました。
お客さまも、もちろん覚えていらっしゃいました。
ほろ苦い思い出話を交わし
最後に「元気でがんばってね」
という言葉をいただいたという
ストーリーがあったのですって。
「ミスは忘れてはいけないが、引きずってはいけない
と周りに言っています。
ミスをしたお客様は、忘れてはいけない。
そうすると、お客様との距離がぐっと近くなるんです。
まだ利用なさっていないサービスをご紹介する機会をいただけたりと
マイナスとマイナスをかけると、プラスになるんです」
経験した人にだけしか語れない言葉には
重みがあります。
■180度変わる感じ方
金融機関には、大量の小銭を持ってくるお客様もいらっしゃいます。
正直担当する側としたら
「えええ・・面倒なの来ちゃったな」
と思っても仕方ありません。
Aさんもその一人だったそうですが
ある日、新しく入ったパートの方が
そんなお客様を迎えた時のこと。
「重たかったですよね~」
という何げない一言を発するのを聞いて、
ハッとさせられたそうです。
「それを真似てみたら『面倒』という気持がなくなったんです。
お客様も申し訳ないという思いで来ているんですよね。
あるとき、ユニセフ募金を持ってきた4~5名の小学生を担当して。
どれくらいあるだろうね、これくらいあったよ!と声をかけたら
小学生からも『わ~!!』と反応が返ってきて良い会話が持てました。
こちらのとらえ方で、お客様も感じ方が180度変わると気づいたんです。」
お客様対応について、
これまでにない風穴を開けられた思いだったそうですが
そこに気づいてすぐに行動するAさんに、
神ならではの、アンテナの高さを感じます。
■心の壁
目の前の人のために何かしたいけれど、
できない人には、
「こんなことしたら
ひとりで目だとうとしてると思われるかもしれない」
「結構です、と断られるかもしれない」
そんな「心に壁」があります。
Aさんのいる金融機関に限らず
営業時間後に、訪れられるお客様っていらっしゃいますよね。
Aさんの職場では、そんなお客様には
通常の対応はできないけれど、
せめて次回いらしたときのための情報を差し上げているそうです。
そしてもう一つ。
そのお客様のお顔を憶える。
「そうしたら、次にいらしたときに『先日は、すみませんでした』が言えますから。」
にこにこしながら、
なかなかできないことを、さら~っと言っていました。
「Aさんのもとで働きたい」という若手社員さんがいるのも
こうしたAさんの行動が、
「やっていいんだよ、こうするとお客様はこんなに喜んでくれるんだよ」
と、心の壁を取りのぞくメッセージとして
届いている証だと思います。
■仲良くなる自己開示
Aさんは、お客様と仲良くなる達人でもあります。
出身地が同じお客様から
同郷の人たちでが集まる会へのお誘いをいただき、ご一緒したり。
あるお客様は子どもさんの年齢が近く、
同じ韓流ドラマファンと知ると
わざわざ韓流ドラマのDVDを持ってきてくださったり。
Aさんからも、お返しにお菓子をさしあげたりするうち
出会って20年経ったいまでも、
年賀状やりとりする仲なのですって。
「お客様と近くなるには、自己開示です。
共通点があると、状況やタイミングを見てお声をかけます。
そうすると、お話ししてくださるんです。」
異動のある職種で、
20年以上も年賀状のやり取りが続くって・・
Aさんは、接客神界の神
こうしてインタビューの内容を文字にしてみると
Aさんは、人とのつながり、そして感謝を
とても大切にしていることがわかります。
そのつながりは、お客様に対してだけでなく、
職場の仲間や上司にも。
最初に配属された支店で出逢った憧れのご上司とは
いまでも、お便りやクリスマスのプレゼント交換が続いていたり、
勤続30年のときには、
Aさん、記念にこれまで配属されてきた支店をすべて回り、
周辺の写真を撮影して
そして、30年のお祝いメッセージをくれた人たちに
その写真をプレゼントしたのだそうです。
Aさんのインタビューのラストは、
これからの目標について語っていただきました。
「嵐の松潤が、
コンサートのオープニングで
これからの3時間、オレら5人で7万人をしあわせにしてやるぜ!
と言っていると聞いたんです。
3時間ではないけれど、
うちを利用してくださるお客様を、
社員の何げない対応=リトルタッチで、
ちょっとでも幸せになってもらえたら
ジャニーズなんて目じゃないぞって笑
うちには、CDを買わなくても会えるアイドルみたいな社員がいます。
ドンペリ入れなくてもホストみたいなイケメンの社員もいます。
サービス料もいただきません。
一生かけて幸せにする人はひとりだけど
一瞬かけて幸せにする人は何人いてもOKだから。
そう、そして退職の時
『私が選んだ道に間違いはなかった。』
と笑顔であいさつしたいです」
はい、私もAさんのところで働きたいです!