その里親募集サイトは閲覧は誰でも自由。
取引をするには会員登録が必要。
その為には、免許証と保険証の両方など、身元の証明できる物が2つ以上無いと登録出来ない。
問い合わせをしようとして初めて、私はそれを知った。
ただ、最初の質問だけは登録してなくても送れるのだ。
その後のやり取りが出来ないというだけで。
私の最初の質問は。
条件が知りたいということと、母乳はギリギリまであげたほうが子猫の為には良いと思うけど、どのくらいの時期での譲渡を予定しているのか?という質問をした。
その質問をして初めて、その後のやり取りができない事に気づいたので、登録をしようと思ったのだけど。
免許証と保険証の登録をしても、上手く登録が出来なくて。
余分な情報を隠さなくてはいけないのに、隠せてなかったりとかして。
その登録が上手くできなかったというのは、サイトから来るメールで分かるのだけど。
登録してから20分近くして、登録失敗だと分かるような状態。
それを何度も繰り返したので、私の出勤時間は近付いてきてしまってたし。
途中で旦那が帰ってきてしまった。
私はその日まで、新しい子をもうすでに迎えるなんて考えてもいなかったので、勿論旦那には何の相談もなく、問い合わせをしていた。
旦那が帰ってきたのは、私の出勤の20分前くらいで。
私はその日は真夜中までの仕事だったので。
仕事前に登録出来れば、その日に募集元の人とやり取りできるチャンスの最後のタイミングの時間だった。
出勤までに、サイトからの登録確認が来るか来ないかのギリギリの時間だったため、私は仕事の支度もしなければで。
私が焦りながら携帯をいじってるから、旦那に、何してるんだ?と聞かれて。
私は、猫の問い合わせをしてるけど時間がなくて、詳しく説明できないみたいな事を答えると。
旦那は、はあ???
みたいな反応をした。
それはそうだ。何の相談もなく突然、新しい子の問い合わせしてるなんて聞けば、旦那はそういう反応をするだろう。
でも、私だって、その日その時までは、もうすでに新しい子の問い合わせをするなんて考えてもみなかったのだ。
だから、相談のしようもなかったし。
何よりもまだ、私は問い合わせをしたいだけで、その子を貰いたいと相手に伝えたわけではなかった。
旦那は、とりあえずその募集の写真を見せろと言った。
うーたが亡くなった後のしばらくの期間は、私はうーたに似てそうな子の写真を旦那にも見せてたから。
私がうーたに似てる子をずっと探していたのを旦那は知っていた。
でもその子の写真は、背中側しか写ってなくて、顔も手足やお腹の模様も分からない写真一枚のみ。
しかも、色は全くうーたとは違う子だ。
だからその場では旦那に、その事を伝えてサイトの写真は見せた。
うーたと同じ子がいないのは里親サイトを毎日見ていて良くわかったから、見た目が違う子の方が、うーたとここが違う、あそこが違うと思わなくて済むかと思ったという事は伝えた。
私は、うーたが亡くなった後ずっと毎日、一日に何度も、全国のあちこちの里親サイトを見ては、うーたに似てる子を探していた。
見つけたとしても距離的に無理な地域までも、くまなく探しては、うーたと違うとガッカリする毎日で。
最初の頃は旦那にも、うーたに何となく似てる子を見つけては、その写真を見せたりしてたけど。
もう止めろよと言われてからは、私はほとんど、うーたに似てる子の話を旦那にしなくなった。
だから旦那は、私がそれまでずっと毎日、うーたに似てる子を探してたのを全く知らなかったのだ。
そういう状況になったのは、私と旦那の仕事時間によるすれ違い生活のせいもあるけど、旦那が、うーたの話で私が泣くのを嫌がるからというのもあった。
それに、家の片付け関連で忙しく、時間が合う時はどうしても、その話を優先になってしまうというのもあった。
そんな中での、その日だったので。
旦那は私に。
そういう事は相談しろよ!勝手に決めるなよ!
というような事を言ったのだけど。
仕事時間も迫っていて時間がなかったのもあり、私はその場では。
時間ないから黙ってて!繋がればそれも縁だと思うけど、まだ分からないし。
とにかく今は、登録出来ないと始まらないから!
と、ピシャリと言った。
旦那はそれで黙ったけど、内心は面白くなかったと思う。
でも私は私で、色々な思いがある中での、その言葉だった。
本来ならば、旦那が私のうーたへの悲しい気持ちを聞いてくれていれば、毎日そんなにずっと、うーたに似てる子を探したりなどしなかったかもしれない。
その頃は引っ越しも間近に迫っていたし、旦那との別れも私は考え始めていたから。
新しい子を迎えるなら、結婚してて夫婦が揃っている方が里親になるのには有利だなという気持ちもあった。
うーたの時もそうだったけど、トイレの世話や餌の世話、その買い物などは全て私の仕事だ。
旦那は、気が向いた時に遊んであげたり、私が頼んだ時に世話をしてくれるだけ。
でも、子猫だとやはり色々心配だし、餌をあげる回数も多くなるから、私が仕事でいない時間に旦那が家にいて様子を見れる状況というのは必要だなとも思った。
本当に色々な条件が重なっていた中での、ぷーたとの縁だった。
その前日に私が、サイトをいつものように見て寝ていたら、絶対に繋がらなかった縁だったし。
出勤時間がバラバラな私なので、シフトによっては、そのサイトにぷーたが載った時間は、仕事中で絶対に見ないような時間帯だった。
初めて里親サイトを見ないで寝た翌日の、この出会いは。
私に何かの運命のような物を感じさせたのだ。
本当に、もしも繋がったら、うーたの導きかもしれないと、私が思っても仕方ないかのような、偶然が重なり合った出会いだった。
ただ、へその緒が着いた状態でのまだ生まれたての状態だったから、何かの障害が無いかとか、無事に育ってくれるかどうかは本当に分からなかった。
だから、ちゃんと育ってくれるかどうかも含めて私は、もしも繋がったなら、それも縁だと思った。
続く