これ、本当の話し。

何故、突然おじいちゃん??

ってのは。思い出したからで。


おじいちゃんは、猟師でした。

とても田舎に住んでいて。

山で鹿をとって、その肉や、角?を、売っていました。

私が小学生の頃に亡くなってしまったので、あまり鮮明な記憶はないのだけど。

とても、ワイルドな生活をしていて。

おじいちゃんの家の壁には猟銃が普通にかけてあった。

おじいちゃんの右手の指は、3本しかなくて。

猟銃の暴発で吹き飛んだって言ってた。

でも、とても器用に色々なことをしてた。

観光地で焼きまんじゅう屋さんの仕事もしたりしてたから。

遊びに行くと、おじいちゃんは仕事の準備で竹の串におまんじゅうを差してたのだけど。

そのお手伝いをした記憶がある。

いつも、山に捨てられてる捨て犬を拾ってくるから。

おじいちゃんのおうちには、犬が沢山いた。

すごく大きな袋に、ラーメンの塊?みたいなのが入ってて。それを餌としてあげてた。

すごく古い家で、土間があった。

お風呂は、家と別の離れの小さな小屋にあって。

おじいちゃんが亡くなったあと、家の片付けをしていたら。

お風呂場から沢山の鹿の角が見つかって。

それを見て怖かった記憶がある。

私は生肉は食べれないのだけど。

父親の大好物なので。

定期的に食卓に、鹿のお刺身が出てきてた。

とても昔かたぎの人間で。

お酒が大好きで。

時々、うちに遊びに来ては、父親と遅くまでお酒を飲んでた。

そのまま茶の間で酔いつぶれて。

泊まった時にいびきがうるさくて。

何度も見に行った記憶がある。

おじいちゃんが亡くなったあとの豆まきの時。

なぜか、外におじいちゃんがいる気がして。

母親に言った。

信じてもらえなかったけど。

外からおじいちゃんの、いびきが聞こえたんだよね。

おじいちゃんは癌で亡くなった。

倒れて病院に行った時には、もう末期で。

余命数ヶ月だった。

体調が悪いのは分かってたのに、誰にも言わなかったらしく。

倒れる日まで、毎晩飲んでたらしい。

何度か血を吐いてたらしい。

病院嫌いで。

常々。

「好きなことを我慢して長生きするなら、好きなことをして早く死ぬほうがいい」

と、言ってたらしい。

その通り、53歳で亡くなった。

倒れてすぐにお見舞いに行って。それ以降は、連れてってもらえず。2回だけ手紙を書いた。

大人になってから、親からその手紙を見せられたことがある。


そのまま会うことなく、亡くなった知らせを受けた。

お葬式もとても変わっていて。

自宅でのお葬式だった。

傘?みたいなのから、故人の持っていた小銭をまいて、子供たちがそれを拾うということをした。

そこで拾ったお金は、その日のうちに絶対に使いなさい!と、大人達に言われた。

昔からずる賢い弟は。

拾ったお金を全て、自動販売機に入れて。

返却ボタンを押して。

「これで違うお金になった!」

と、言って。後で使うと言ってた。

私は、怖かったから。

全て、使った記憶がある。


おじいちゃんが亡くなったあと。

犬達は、隣の家の人にもらってもらえた。

そして。

一人暮らしだったおじいちゃんのおうちは、取り壊されて更地になった。

私の本籍は、その、おじいちゃんのおうちだった場所なので。

今はもう、ない場所にある。

何年か前に。

おじいちゃんのおうちだった場所に、ドライブしてみた。


そこは今も。

変わらず更地のままで。

昔と変わらない、田舎の景色でした。


おばあちゃんは現在も健在だけど。

おじいちゃんが病気になる、何年も前に離婚していたため。

お葬式にも来なかったし、お墓参りも一度もしない。

子供だったから何故、別れたかは聞いてないけど。


おばあちゃんは今も、おじいちゃんをとても嫌いなようだ。

私が小さな頃は。

ヤギや羊も飼ってたらしい。

全く記憶にないけど。


他には、自分が覚えている、この、おじいちゃんの記憶はない。

後は人から聞いた話だけ。

父親から聞いた話の中でとても怖かったのは。

おやつが、マムシ(毒があるへび!)だったという話し。


山でおじいちゃんが、いつもマムシを取ってきて。

柱に釘で蛇をさして、皮をはいで、包丁で切って、醤油をつけて、お刺身みたいにして食べてたらしく。

とても、美味しかったそうです。

衝撃的な話しすぎて、忘れられない。

そんなおじいちゃん。

確か、今月が命日だった気がするので。

お墓参りに行こうと思いました。