無政府主義(アナキズム)とは(49)(実践編)(第三回) | 本物の左翼

無政府主義(アナキズム)とは(49)(実践編)(第三回)

今日は、アナーキズム社会が権力の亡者に脆弱なのかどうかについて説明したいと思います。


 
 つまり、自由社会において、直接行動を使って支配者志望者に抵抗をするのである。これは、支配者に対してやる方法と同じである。無政府主義の組織は自主管理、相互扶助に基づいているだけでなく、直接行動を起こすように作られているので、次のように言える



「住民の直接行動(非協力・ストライキ・デモ・占拠・暴動などで表現される)に直面し、権力の亡者は住民を威圧することは難しいと分かるだろう。既存社会の統治者支配権に慣れきった人々とは異なり、アナキズム社会は叛逆者の社会であり、従って、支配し征服することは難しいであろう。」


この例として、次のようなことを挙げる



 「アナキストはこの点を証明するためにイタリア・スペイン・ドイツにおけるファシズムの勃興を例に挙げる。強力なアナキズム運動があった場所では、ファシストは最も強く抵抗された。ドイツではヒトラーがほとんどもしくは全く抵抗されずに権力を握った。イタリアとスペインでは、ファシストは権力を手に入れるまで長く厳しい戦いをしなければならなかった。アナキズム組織とアナルコサンジカリズム組織が、全力でファシストと戦い、共和主義者とマルクス主義者が裏切るまでは闘争に勝利した場合もあったのだった。」



よって、民衆が直接行動と自主管理の実践に慣れ、直接行動と自主管理の実践を続ける限り、支配者は民衆に勝つことはできないということがわかる。


 自主管理体制の組織に於いて、僭主が生まれるというのは実におかしなことである。このような主張は近代の政治体制論に反しているだけでなく、本来的に自己矛盾である。指導者が支配した大衆集会よりも、ヒエラルキー構造の方が独裁者の自然繁殖地なのだ。これまでの世界の独裁者は大衆集会ではなく、ヒエラルキー組織の中から生まれている。例として、次のようである


「ヒトラーは、リバータリアン組織を通じて政権を手に入れたのではなかった。むしろ、彼は高度に中央集権化されヒエラルキー型に組織された政党を利用して、中央集権型ヒエラルキー国家を支配したのである。資本主義社会において民衆が権能を剥奪されることこそが、民衆のために活動する指導者を民衆が期待するようにさせる。」

さらに、ソ連も、原型はボリシェビキというファッショ色の極めて強い政党から生まれていることも言うまでもない。よって、アナキストは次のように主張できる。


「アナキズム社会は、万人に権能を与えることで、指導者志望者が権力を握ることをもっと難しくするのであって、容易くするのではない--全くいないとは言わないが、他者の利益のために大喜びで自分自身を犠牲にし、自分自身を否定する人などほとんどいまい。」



次回に続く



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