ワインの香りで「樽香」ってよく聞くけど何のこと?
ソムリエ社長のワイン独り言⑯:
「樽香≠ティーパック香?」
ワインの香りを表現する言葉に樽香ってのがあります。
樽香はバリック(オーク樽)の新樽で熟成した際に樽から移る香りの事をいいます。
樽は一年で捨てずに何年か使うから初年度は新樽って言うんです!
もちろん新樽でなくても若干は香りは移ります
このワインは新樽使用比率何パーセント?なんて話をすることがありますが
昔はこの樽香は高級ワインの典型の香りでした
というのも
オーク樽は1個 7~8万円程度 容量225L ってことは ワイン300本分
いい樽はもう少し高いのかも
と考えると樽の原価だけでワイン一本あたり約260円程度の原価が掛かるのです!
それって売価にすると数百円になる代物ですよね?
だからいい値段で売れる高級ワインしか使えないのです!
それが樽を使わずに簡単に同じ味に出来る方法がある!
その魔法のような方法は、なんと!
超簡単
樽と一緒の木のチップをティーパックみたいにワインに入れればいいのです!
香りは移るからこれでいいでしょ!
ってことらしい。
でも世の中そんなに甘くなくて、あんまりうまくいかなかったらしい
樽を使う意味は香りをつけるだけ為だけではなく、
微量の酸素もワインに入り込ませる意味もあった。
だからティーパックじゃバランスが悪くていまいち駄目だったんですって!
ところが・・・じゃ酸素も一緒に送り込めばいいのでは?と
技術開発!
それが大成功で、
世界のワイン評論家でも樽熟成かティーパック仕上げかわからないワインを作り上げたそう
安価で美味しいワインが出来る!これはいいことかも
でもこれを本当にいいワインがコストダウンの為にやると
なんか興ざめしません?
ボルドーTOPシャトーでもティーパック製法が行われている様子(涙)
今ってそういう新しい技術から原点回帰で昔の製法の良さが見直されているのに
なんだか逆行してる気がしますよね・・・
まあ商売だから、コスト削減は必要だけど・・・
TOPシャトーって言うぐらいだから儲かってそうなんだからそんなことしなくてもねぇ
ビオなくしてワインを語れない今
新しい技術は素敵だけど伝統を守るのはTOPシャトーの命題だと思うソムリエ社長でした
それと樽のトースト具合ってのをついでに紹介
オーク樽は内側を火で焼いて焦げ目をつけます。
焼く意味は曲げる為や殺菌の意味もあるようですが、メインは香り付けの為に行います
焼き加減はステーキと似た感じ
ライトトースト、ミディアムトースト、ヘビートースト お好みで!
ワインのコンセプトに合わせて焼くんです。
実はこの焼き具合がワインの味にすっごく影響するんです!
違いは
ワインの香りに出るこげた感じのニュアンスが違う!そのままですが・・・
昔、同じキュベを3種類異なったトーストの樽で熟成したワインを比較ティスティングしたのですが
明確にわかりました。
軽く焼いたパンと思いっきり結構焼いたパンの食べ比べみたいで簡単に違いがわかる!
皆さんもぜひ樽の香りのニュアンス味わってみてくださいね~
久々のワイン独り言でした~
今週夜飯きちんと行ってないからか やたらお腹が減って食べてばっかりの メタボリック社長