知り合いに20代の夫婦がいて。
一年前に生まれたかわいい女の子もいて。
その女の子がザ・定型っていう赤ちゃん。
ママはとてもきれいで、モデルのよう。
というか、モデルみたいなことをしていた。
すごくきれいなのに気取らず自然体。
パパは大企業の花形部署。
若いけれど、出世街道まっしぐら。
なのに、気さくで話しやすい。
絵にかいたような、漫画みたいな夫婦。
そんな二人の遺伝子を受け継ぐ赤ちゃんは、
いかにも、ザ・定型。
初めは見慣れない人の姿に緊張した顔をしつつ、
帰る時には慣れてニコニコ。
落ち着いて座り、喃語を喋り、よく笑う。
ママの顔を見つめたり、パパに甘えたり。
何でもよく食べるから、母乳は勝手に卒業しそうで、
夜もよく眠るらしい。
もう、なんていうか、ほんとにすごく可愛かった。
顔のパーツでいったらうちの息子だって負けないくらい可愛いけれど、
目が合ってニコッと笑うかんじや、じーっと見つめるかんじ、
そうして何か伝えようと喃語を喋るかんじ。
もう、とにかく可愛い。
よく、友だちがイヤイヤ期が大変って言うのが、
私はよくわからなかった。
息子は生まれた時からずっとイヤイヤ期だったから。
抱っこも寝るもの、離乳食も、なにもかもイヤ。
ずっと大変だったから、いつがイヤイヤ期だったのかすらわからない。
でもこのザ・定型の女の子を見ていて、
こんな天使をずっと見ていたら、
イヤイヤ期ってすごく大変に感じるんだろうなって思った。
天使だったのにどうしたの?って。
私が息子の子育ての大変さを少し愚痴ると、
周りはよくイヤイヤ期の話をしつつ共感してくれる。
でも、たぶんイヤイヤ期の大変さって、それまでいかに育てやすかったかという現れ。
単なる比較の問題。
たぶん、比べ物にならないくらい、
私は子育てに苦労しているような気がした。
定型発達は定型発達と惹かれ合い、
育てやすく、優秀なザ・定型発達が生まれる。
発達障害は発達障害と惹かれ合い、
育てにくい、ザ・発達障害が生まれる。
息子には申し訳ないし、
でも、その女の子はとてつもなく可愛いし。
複雑な気持ちが渦を巻いた。