まっくろネリノ | 障害児の母になりました

障害児の母になりました

育てにくかった息子。ついに診断名がつき、障害児になった。そして、私は障害児の母になった。

ドロドロした気持ちを吐き出すブログ。

息子が保育園で気に入り、買ってほしいと言ってきた絵本。

 

 

『まっくろネリノ』

 

 

私は本を買う時には、必ず中を確認したい。

 

本屋を訪れ、手に取って、そして気に入ったら購入する。

 

 

でもこの絵本は本屋を数軒巡ったが、見つからなかった。

 

仕方なく、ネットで購入した。

 

 

 

 

家に絵本が届くと、息子は喜び、

 

「読んで読んで」

 

と言う。

 

 

 

絵本嫌いだった息子にも好きな絵本ができたことに喜びながら、読み進めていった。

 

 

 

読み終えると、息子は満足そうにしていた。

 

 

 

そんな息子を見て、私はとても複雑な気持ちになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネリノには色とりどりの兄弟がいた。

 

まっくろなネリノはいつも仲間外れだった。

 

そんな時、兄弟が行方不明になった。

 

きれいな兄弟は捕まってかごの中に入れられていた。

 

ネリノはまっくろだから、夜に誰にも見つからず、

 

兄弟を助けた。

 

そして、それからは仲間に入れてもらえるようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

息子はこの絵本を見て、何を思ったのだろう?

 

自分に重ね合わせていたのだろうか?

 

それとも、ただ気に入っただけだろうか?

 

 

 

 

 

 

ネリノはまっくろじゃなければ、最初から仲間に入れてもらえていた。

 

兄弟が捕まっていなければ、今もなお仲間外れだろう。

 

そして、兄弟は生まれつきの違いで勝手に仲間外れにしておいて、

 

自分たちにとって役に立てば、仲間に入れる。

 

 

 

私にはどう考えてもハッピーエンドではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

まっくろだって役に立つことがある?

 

そんなふうには思えなかった。

 

みんなと同じようにきれいな色に生まれていれば、

 

最初から仲間外れにならないのだから。

 

危険を冒してみんなを助けることにもならないのだから。

 

役になんか立てなくても、当たり前に仲間になれるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

「危険を冒してでも、みんなの役に立てるなら、

 

 みんなと違っても仲間に入れてあげてもいいけど?」

 

 

 

 

そんな世間の目や声が聞こえてくるようで、

 

眠った息子を眺めながら、私はとてもつらくなった。