つぶれゆくレコ屋たち2 | cheerズ blog edition

つぶれゆくレコ屋たち2

 毎年改訂版が出る「レコードマップ」を閲覧している人なら街のレコ屋の移り変わり、 特に閉店する店の多さに愕然とすることも多々あるだろう。例外で渋谷界隈ではフリーソウル、 レアグルーブ辺りの廃れの影響もありつつ、ヒップホップ、ハウス等の根強い購買層に支えられて新規でもちらほらオープンする店もある。あとカフェテイストでラウンジなのか レコ屋なのか分からない、マーケティングを意識したレコ屋も新しくちょこちょこ出来ている。 どっちかというとレコード漁るというより、ちょこっと見て楽しむといった感じね。反対に、都下、地方のいわゆる街の中古レコ屋はどんどん消滅していっている(ウェブショップに 置き換わる店もあるが)。                        

 

 僕が中・高校生で和モノインディーズを漁っていたころによく通っていたレコ屋が「オールディーズ」 だった。三鷹、中野の住宅地の中にポツンとある、相当に風味のある店だった。場所的とか店がまえ的に近所のジャリがターゲットかと思いきや、入るとまともな新譜は申し訳程度に壁を飾っている程度で 後は壁、棚とも意味不明のハードコアやビジュアルものの珍盤・レア盤のもっさりとした山になっているターゲットがいまいち読めない店だった。

 

 特に中野の線路沿いにあった店舗、ここがまたイイ香りは放つ店で、雑居ビルの怪しげな階段を上がって入店すると一発目に目に飛び込んでくるのが「○○○○年 万引き ○○高校 ○○ ○郎」と壁のレア盤の隙間を縫うかの如く張り巡らされたサラシ紙。いいのか? あれ見て普通に買い物が出来る訳がない。レジ横の壁に目をやればちょうどインディーで目の出始めたビジュアルバンドのデモテープが\9800とか恐ろしい値段が付けられている。ある意味シュールだよなあ。意味わかんない貴重盤と万引き告知のコントラスト。高校生には刺激が強すぎるよ。

 

 でも一番面白かったのは中野の商店街を抜けたところにあるもう一個の支店だった。2階建てで一階は最近のCDでこれは普通にスルーで階段を上へ。2階はひたすら壁から壁へと圧倒的なセコハンの山が待ち受けている。正直入った瞬間に眠気の襲ってくる面倒臭さだが、とりあえず堪えて順に端から攻めていくと何回も一期一会に遭遇する場所だった。プライスも駅の反対側の店にくらべて格段に安かったしね。                                        

 

 で、前に行ったら両方ともきれいにつぶれてた。まあ正直和モノ(しかも相当にニッチ)に強みがあって他のはボチボチって店構えじゃこの時勢やってくのは難しいと思うけど。。残念だ。ちなみに三鷹店はまだあるみたいだけど特に回転もしてなくて、三鷹で降りたときでも最近はあんまし立ち寄る事もない。