病院に行こうと言う母ちゃんに対し、上弟くんは、テーブルを蹴ったり、壁を叩いたり、大声でまくしたてたりしましたが、母ちゃんは一歩も譲りませんでした。
緊張で喉が乾き、何度も何度もお茶を飲む母ちゃんに、
「水分摂りすぎじゃ!」
と指摘もされましたが、譲るわけにはいきません。
怒り狂っていましたが、暴れるのも疲れたのか、徐々に落ち着き、病院に行くことを受け入れたのです。
すぐに上弟くんを車に乗せ、病院に向けて出発しましたが、コンビニに寄って、アイスコーヒーとたばこを買って欲しいと頼まれました。
病院に行ってくれるなら、それくらいお安いご用と、コンビニに寄り購入。
「あ~、うまい!贅沢じゃ!」
と、上弟くんは、とても喜んでいました。
一分一秒でも早く病院に連れて行きたかったので、最寄りのインターから高速に乗り、上弟くんを刺激しないよう安全運転で急ぎました。
スゴくスゴく焦っているのに、母ちゃんは、上弟くんを説得している間に飲んだお茶のせいで、トイレに行きたくなり…
何がなんでも病院までは止まらずに行きたいのに、どうにもならなくて、途中のサービスエリアに寄りました。
母ちゃんがトイレに行っている間に逃げ出さないか?
車を奪って逃げやしないか?
トイレにいても気が気じゃありません。
車に戻ると、ドアを開けてたばこを吸っていたので一安心でした。
病院近くのインターに入ろうと車線変更した時、
疲れているだろうから、落ち着ける自宅に1度連れて帰って、一晩ゆっくり過ごさせてから病院に連れていくのが優しさじゃないんか?
みたいなことを言われましたが、
1度診てもらって、家に帰ってもいいって言われたら、家に送って行くからね。
と伝え、病院に向かいました。
この時立ち寄ったサービスエリアの前を通る時は、いまでもこの日のことが鮮明に思い出されます。
次回
26 病院に着いてから へつづく