【詩・画】彼女の左手の身体を起こすとベッドの上に座ったまま小さな空を眺めながら左手の親指を噛む。それが彼女の朝ごはん。親指は甘いのだと言う。ママが作ってくれたホットケーキの味がするのだと言う。彼女の9本の指の味を僕は知っているけれど、左手の親指だけを僕は知らない。