『池上彰と考える、仏教って何ですか?』

池上彰著 飛鳥新社


Memo


これまで読んだ著者の本は世の中の「難しい」とされている出来事を、具体的で分かりやすい例をあげながら、紐解いて、すとんと理解できるものが多かったのですが、今回は少し毛色が違う感じがしました。


著者は仏教基礎講座として本書を執筆したとあとがきに書いていますが、詳しい解説をして「仏教ってこういうこと!」と痛快なくらい分かりやすく教えているのではなく、なんといくか、深く考えさせられる感じがしました。


私は自分の「死」を今は怖いものとしてとらえていませ。
周りの大切な人の「死」の方が怖いかな。
でも年をとって、死がもっと身近な物になったら恐れを抱くようになるのでしょうか。
その時、心安らかでいられるよう、仏教の世界観とか仏教の心理学をもうすこし学びたいと思いました。


特に印象に残ったのは、「生前に戒名を考えることで今やるべきことが浮き彫りになる」ということ。
著者は解説の「解」とか「説」を入れてもらえた嬉しいそうです。
通訳者を志す私は、「伝」とか「渡」という戒名がしっくりくるような会議通訳者になれるよう精進して行きたいです。