1歳半からずっと、スイミングに通うみーちゃん。

最初はお昼寝をして欲しくてベビースイミングを始めたのだった。それからみーちゃんはスイミングスクールを3回変えながら、長く頑張ってきた。1番頑張ってるのも、1番好きなのも泳ぐことだ。陸では走るのが遅くても、水の中では弾丸スタートを切ることが出来る。徒競走でビリでも「でも、泳ぐのだったら早いよ」とみーちゃんが言う。周りの子もそう言ってくれる。スイミングはみーちゃんの自信になり、心身の大事な核を作ってくれている。そういうものに出会えて、本当に良かった。


みーちゃんはこの6年でいつの間にかバタフライまで泳げるようになり、スイミングスクールでは残すところメドレーのテストだけになった。ずっと伴走してきたママにとっても少し寂しく感じていたこの頃、コーチから呼び出しがあった。

今のコーチはみーちゃんが気弱になる度に叱咤激励をくれて、みーちゃんが1番信頼を置いているコーチだ。幼稚園時代、みーちゃんが進級して少し大きなお姉さん達と同じ級になった日に泣きながら帰ってきたことがあった。「もうついていけない!わからないことばっかりなのに誰も説明してくれないえーん質問出来る時間も無いえーんみーちゃん言ってくれたら出来るのに、言われてる事の意味がわからない!コーチは大きな声を出すし怖い!」

もう行かないと泣いてるみーちゃんを連れて、コーチの元に行くと「みーちゃん、もう一度ちゃんと説明するからやってみよう。大きい声を出すこともあるけど、みーちゃんを怒ってる時なんてないよ、皆に聞こえるようにしているだけだよ。みーちゃんは級が上がると最初必ず不安そうにしてるけど、すぐにちゃんと出来るようになる。それはちゃんと話を聞いてくれてるからだって、コーチ達は皆知ってるよ。頑張ってるの知ってる。みーちゃん、出来るよ!出来る、泣かないでも大丈夫‼」そう言って抱きしめて、プールサイドに連れて行ってくれた。

それからみーちゃんは、またそのコーチの担当している級を目指して自主練しながら頑張ってきたのだった。


「みーちゃんが私を目指して2級まで来てくれたって言ってくれて嬉しくて…でも選手育成コースを辞めちゃったでしょう?お母さんは良かったんですか?」

「はい。もう絶対コーチと泳ぐって、みーちゃんは自分で決めてたので」

「そうか…みーちゃんがね、とてもセンスがあるなって他のコーチ達と話していて。みーちゃんがこれからも泳いでいられると良いなって思うんです。でもほら、私達もみーちゃんがメンタルが弱いの知ってるから…強くなるために選手コースに行くのも良いんじゃないか、いやでもまだ小さいから楽しく泳ぐのも有りなのかな…て悩んでて。どちらにしてもこれからもずっと泳いでいてほしいんです。みーちゃんが泳ぐのが好きで、真面目で一生懸命やってくれるので、私達も単純に会えなくなるのが寂しい、成長を見ていたいって思うんです。」

「選手コースはコーチも厳しいって聞いてるから、プールを嫌いになっちゃったらヤダなとは思っています。みーちゃんはメンタルわらび餅並に柔くて…」

「あはは、うん、そうですね。もうすぐ1級になれちゃうと思うから、そしたら10月のお誕生日まで育てさせてください。様子見ながら、選手育成に戻って選手コースに行くかどうかを他のコーチとも話し合います。やってみてやっぱり無理なら辞めてもいいですし、それが挫折とも限らないけど挫折をするとしたら早い時期にしてもいいし…中高生前に挫折するとその後の伸びは良いし…」


今日、久々に見たみーちゃんのフォームは、抜群に綺麗だった。決して早い訳ではないけれど、どの泳ぎもニコニコとパワフルで、大きいお兄さんお姉さんに混じって頑張ってる姿にママはなんだか泣きそうな気持ちになった。

コーチの優しさと、ママの泣きそうな気持ちと。

しかし当の本人はというと「いいですいいです、無理と思う驚き」と引き気味でした。

チャンスは誰しもには来ないのだから、チャレンジだけでもしてみたら良いとママは思うけど、みーちゃんは怖がりだからわからないね照れでもママ、みーちゃんの泳ぐ姿が大好きだよ!