兄はどんどん痩せていって、なのにお腹はどんどん大きくなっていった。
母が兄に付きっきりでいてくれてた。
私は高校の期末試験が迫っていて、病院に行く回数が少なくなっていた。
きっと試験があるという理由をつけてただけで、兄の変わっていく姿を見るのがつらかったのかもしれない。
ある日母が私にお医者さんから言われた病気の事抗がん剤の治療についての話をした。
「抗がん剤の治療をしても効果があるのは3%やねんて。どう思う?した方がいいと思う?」と聞かれた。
私はその時始めて兄の病気の事を知った。
なのに3%ってなんなん?
お兄ちゃん助かれへんの?
私は母に答えを出す事ができなかった。
その後わずかな可能性を願って抗がん剤の治療がはじまった。
兄は痛みが酷く、それを抑えるためにモルヒネを入れた事で、意識がもうろうとする様にになった。
そんな時、学校の帰りに兄の病気にいった。
目は虚ろで話が出来るような状態ではなかった。
どれ位の時間いたかは覚えていない。
帰る時、母がお兄ちゃんに「なおちゃん帰るよ」
「なおちゃん試験が、あるねんて」と言うと
兄は私をじっと見て「なおちゃん、頑張ってね」と言ってくれた。
私は手を振って病室をでた。
この言葉が私に対する兄からの最期の言葉になった。