ついに検査結果の日。
出張の予定をキャンセルしてくれた夫と病院にむかう。

この日の事を思い出すとまだ心臓がぎゅっとなる。

私達が椅子に座ってすぐに、目力先生はこう切り出した。
「周りくどく言っても仕方がないので‥」

終わった。良性かもという微かな望みが消え去った。
乳頭癌。クラス5。確定。手術。傷の大きさ。紹介先の病院の選択。
泣き伏した私に代わってオットが話を聞く。

転移の有無を調べるためにCT検査。

再び診察室へ。
パソコンでCTをチェックする目力先生。その数分間、私は上手く息をしていたのだろうか?

「肺に炎症の跡か、転移か判断できないのが2箇所あります。たぶん炎症の跡だと思うんだけど‥後は紹介先の医師が判断します。」
目力先生の顔を見なかった。先生の真意を探りたくなかったから。
転移なら全摘。その後放射線治療。

体ががたがた震える。寒いのか、怖いのか自分でも分からない。

「手術して治療すれば治りますか?」
先生は一瞬考えて
「経過観察はずっと続きます。」

お願い、もうこれ以上、悪い事起こらないで。お願い。お願い。

看護師が大学病院へ連絡。予約を取れたのが1か月後。今日すぐにでも診察してもらえると思ったのに。

沈黙のまま夫と家に帰る。
手を繋いで2人で歩くなんて何年ぶりだろう?
ごめんね。支える方も辛いよね。心配だよね。

今日は12/24。
通りかかった店の入り口からクリスマスソングが聞こえる。
こんなに悲しいクリスマスになるなんて。
いま夫が隣にいてくれて良かった。

私にはサンタが来なかった。