成田空港に向かう電車。夜10時。

特急とは言うものの、成田に近づくと、田舎でよく見るような無人っぽい路上駅にも止まるのか、と思った。

電車が止まり、誰も乗り降りしないのに機械仕掛けのドアが開く。あたりは真っ暗で、音がない。ただ凍てつくような風だけが押し寄せてくる。寒。暗。


これが本来の地球かあ、なんて思う。

本来の地球は、こんなにも静かでお淑やかな音なんだなあ、なんて。

ギラギラしてガヤガヤしてとにかく騒がしい忙しない東京の街から出てくると、それを思い知らされる。


都市はあそこまで発達する必要はあったんだろうか?あれは何の結果なのか?

国と国、または都市と都市の間に浮いてる見栄?繁栄の象徴として?どれも外からどう見られるかを意識したもの?

自国を便利にするため?楽をして、優雅な暮らしをして、生活をより一層楽しいものにするため?


とまあその辺は正直どうだっていいが、とにかく都会はうるさい。少なくも私にはうるさい。音が多すぎる。


田舎は静かというけれど、カエルの合唱とか鶏の雄叫びとか、案外うるさいよ?


そうかもね。

でも。まだ自然そのものの音の方が、私の耳は喜ぶんだよな。