先週、「尼崎市ユースカウンシル事業」の一環として

高校生代表が企画した「高校生と考える保護犬の

未来」講演に参加してきました。

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公益財団法人 動物環境・福祉協会Eva理事長

杉本彩さんを招いての基調講演と意見交換の90分。

杉本さんは1時間近い公演中、ほとんど原稿などに

目を落とすこともなく、周りを見渡しながら

落ち着いた聞き取りやすい口調で話す方でした。

 

 

 

「命を大量生産する社会」では
大量生産する側、流通する側、
そして「消費」する側。
いずれも法律を変えても、規制をしても
守らなければ意味がない現状を、何十年にも渡り
ご自身が現場に入り、裁判も傍聴し、今も現場に
身を置く杉本さんの肉声が訴える現状はニュースで
知るのは全く違うものでした。

 

 

癒される、可愛い、運命かもとペットショップの

ウィンドーではしゃいでも何十年先の介護まで

続く生き物との共存は「消費者」としての姿勢も

問われます。

 

 

 

自分にとって安全なところから、安全な人達と

過ごしながら動物愛護を訴えるのと違う、

凄惨な現場を知り何頭も看取った杉本さんの話は

可哀そう!酷い!と騒いで終わる感情論ではなく。

弁護士や獣医師が所属する「どうぶつ弁護団」代表の

細川弁護士と15年以上共に活動している杉本さんは

今の法の限界や現状も理解したうえで落とし所を

模索する理知的な方でした。

 

 
先の長野の犬452匹虐待のニュース。
無免許、無麻酔で帝王切開した元販売業者代表の罰は
懲役1年と罰金10万円。
現場の悲惨さは報道以上でした。
 
 
 
現場から声をあげ裁判もされる印象から怖そう、
過激と思われると仰っていましたが、芸能人として
リスクしかない好感度は気にしていられない、と
笑って話されていました。

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法人の顔になっても現場の実務はスタッフや

別の団体がやっていて、たまに現場を見学して

結果報告を元に動物愛護を訴えたりする人も

増えた中、実際に凄惨な現場や法廷での理不尽さに

普段から身を置いた杉本さんの生の声は貴重でした。

 

 

 

 

 

可哀そう、酷い、だから「何とか」してほしいと

騒ぐ人達とは違う、耳を塞ぎたくなるような

その先の一番凄惨な「何とか」に留まり続ける

方の覚悟を直接その場で聞くことができて

良かったと思います。

一番つらい現場はお任せして、救い出した後に

自分と意見や考え方の合う人たちと「優しい世界」で

一緒に過ごす選択もできるのに、腹をくくった方の

柔らかい笑顔が印象的でした。

 

 

 

今回企画した高校生の方も、愛犬を亡くした後に

初めて知ったペットの現状から自分の足で

色々な方面に出向き杉本さんへオファーを

されたそうです。

小学生からご高齢の方まで、質疑応答もあり

幅広い年齢の方の活動を知る機会もありました。

3月はうちのわんこが亡くなって21年目の春と

なります。ボランティアは続けていますが、

今回はまた思うところが出来ました。

 

聴くことが出来て

知ることができて

決めることができる

 

貴重な時間をありがとうございました。