昨夜、見送らせていただいた

92歳のおじいちゃま

(おじいちゃんなんて書いてゴメンなさい)

 

肺がんという病名も持っていたけれど

肺気腫があり、酸素療法を行っていた

 

「がんがあるらしいけどさ〜

飯がうまいんだよ」

 

よく食べるので、体力があった

 

「転倒すると危ないから、

酸素ボンベは、カートで引いてね」

と何度言っても

 

「邪魔くさくてな」と

 

酸素ボンベを背中に背負って

畑仕事をしていた

 

大工さんを引退してからは

 

畑仕事が、何より楽しみ

 

「あんた、午前中に来るかい?午後かい?」

 

訪問する朝、

必ず電話をくれ

私の来る時間を確認する

 

「何か、用事がある?」

 

「いや〜畑へ行こうかと思ってさ〜」

 

畑で育つ野菜たちの成長が

気になって気になって

 

畑へ行かない日は、なかった

 

 

転機がきたのは、4〜5日前

 

自室からトイレまでは、

長い廊下を歩いていく

酸素のホース引っ張って

歩くのは、危ない

夜間だけでも、

ポータブルトイレを使うようにと購入

 

だけど、だけど

おじいちゃまのポリシーがそれを許さない

 

夜間、トイレに行って廊下で転倒

腰を打撲、

ベッドから離れる生活が

できなくなった

 

排泄もベッド横のポータブルトイレに

移乗するのが精一杯

 

昨日、昼間、訪問した時に

 

「今までの人生、悔いはない?」

 

「ないよ〜、やるだけのことはやってきたからな〜」

 

そして日付が変わる頃、

 

「嫁さんには、下の世話は、させたくない」

 

とポータブルトイレに必死で移譲し

体力がつき、息絶えた

 

すごい、最後までカッコいい〜な〜

 

体を拭き終え、新しい服に着替えて

旅立つおじいちゃま

 

「向こうで

恥ずかしくないように、

オムツじゃなくて

パンツ履かせておいたからね」

 

と耳打ちして、お別れしました

 

引き続きヨロシクお願いします