初デートの日。
私は運転しない代わりにせめてもと思って自販機で買ったジュースを握りしめ、待ち合わせの場所に行きました。
すると、いかついセドリックが近づいてきて中からいかついサングラスの坊主が出てきました
ム はじめまして。
ヨ はじめまして、、、
ありきたりなセリフで私たちのデートは始まりました。
海上保安官という仕事は、今でこそ海猿効果で知られるようにはなりましたが未だ海上自衛隊と間違われることも多く、私自身何をしている人なのか未知数でした。
今だって、よく分かりません。
2時間ほどかけて遊園地に行ったのに、滞在時間もわずかで、ちょっと寂しいなと思ったのが印象に残っています。
別に話が弾んだとか、好きになったわけでもなかったのですがもう少し一緒にいたいなと不思議と思いました。
帰りの車の中で、ムコが
ご飯食べていきませんか?
と誘ってくれました。
私は素直に嬉しかったです。
何が食べたいのか聞かれたので、即答で
焼肉
と答えました。
無類の肉好きで、寮では焼肉なんて出ないので思わず。
ムコは片道3時間ほどかけて会いに来てくれていたので、私の寮の近くにあるビジネスホテルをとっていて、そこに車を置いてタクシーで焼肉屋さんに行きました。
ムコは無類の酒好きでした
その席で、私は女ばかりの寮生活の辛さや意見をはっきり言えない自分の不甲斐なさを淡々とムコに話していました。
初めて会った人との会話としてはかなり重かったかもしれません。
でも、相当参ってたと思います。
ムコは黙って聞いていたけど、自分とよく似ているって共感してくれて。
そういう意味では盛り上がったと言えました。
いま思えば、一目惚れだとか好きな部分が見えたとかではなく、フィーリングでした。
帰り際のタクシーの中で、ムコが手をギュッと握りしめてきました。
ビックリはしたけど、私の印象が悪くなかったんだなってちょっと嬉しくなりました。
決して美人でもないし小太りだし、大学では女扱いされていなかったので心地よい躍動感でした。
寮の門前まで送ってもらい、
また会ってもらえますか?と言われ
はい、と答えて
その日のデートは終わりました。
紹介してくれた後輩にもその日のうちに報告し、好感触だったことに喜んでくれました。