僕は小学校4年生の時、雑草係だった

雑草係とは月水金の週3日、昼休みに校庭に生えている雑草を抜いてまわる係だ

係を決める日に欠席した僕に、大親友の大内くんが雑草係だということを教えてくれたんだ

僕は内心つらそうな係だなと思った

でもクラスには大好きな高野さんがいたし、先生にも褒められたかったので

僕は雑草係をやり遂げることを決心した。

それからの僕は熱心に雑草係をつとめた。台風が近づいて大雨の日も、炎天下でも

みんなが校庭で遊んでいるその間を這いつくばりながら、雑草を抜き続けたんだ。


2学期の中頃、僕は朝会で突然校長先生から表彰された。

校長先生は「この子はお昼休みに校庭の雑草を熱心に抜いてくれている。私はこれはとてもすごいことだと思う」という。

僕は言ってやりたかった。「これは雑草係という係なんですよ 馬鹿じゃねーのww」と。

でもクラスのみんなは笑顔で僕を迎え入れてくれたし、先生もすごいねと言ってくれた。

僕は嬉しかった。

大好きな高野さんがうつむいてるのが気になったけどね。

その日の放課後、先生が僕を職員室に呼んだ。きっと褒めてくれるんだ。僕はウキウキして行った。

先生は僕の正面に座ると言った

「積極的に校庭の雑草を抜いてるとは思わなかった。とてもえらいね。でも保険係のお仕事をサボっちゃ駄目じゃない。

 保険係の集会がある水曜日のお昼休みは係の仕事しよ?保険係が高野さん1人じゃ可哀そうじゃない。」





雑草係なんてなかった











これは切ない