彼女はその打ち上げの席でポロっと
『来年出てみようかな?』
その一言を
聞き逃すはずも無く『今、言ったよな』としっかり確認されてしまった。
でも酔った席での話・・ちょっと可哀想なので保留にし
年明けに改めて聞いてみる事にした。
Qminちゃんは、改めて聞いても『やる気』らしい
小出監督にQちゃんなら、オイラにはQminちゃんだ!!
こうなったら本気で取り組んでやってみよう!!
思えばこの日・・私の初マラソン請負人生活がスタートした。Qminちゃんは、1月に5キロの練習から始め、
少しずつでも走れる様になっていく姿を追い続けるのは、
真夏もヘロヘロながら頑張ってくれた。
気が付くとお母さんもお父さんもお姉さんも
彼女の事を家族中で応援していた。
それに応えて、Qminちゃんは始めてから1年で
怪我なく30キロまで走れる様になった。
十分頑張ったと思う。
なので、ご褒美と本番に気合いを入れさせる為
知り合いの皆さんに「完走祈願のお守り」も
縫い付けてもらったオリジナルTシャツをプレゼントした。
そして向かえた本番。
実は前回まで着ていたシャツのバックプリントがこれだったんで
今回のカッコはこれ!( 不真面目でスイマセン。)
Qminちゃんはスタートから12キロまでは順調だったが
そこからの上り坂でもう歩き始めてしまった・・
歩き始めるにはまだ早すぎる・・でも走り出さないので
なんと言われても完走させなければならない私のとった手段は
『魔法の左手で押す!』『とにかく強制的に歩かせない!』
しばらく走っていると袋に入れられた氷をもらったので
後頭部を冷やしているふりをして『さらに堂々と押す!』
しかし、手のチカラを抜くと、Qminちゃんは止まってしまう。
30キロではとうとう限界なのか、本格的に歩きだしてしまった。
押そうとすると『もう放っといて!もうやめた!』と返される
精神的に限界なってしまったみたいだ。
しょうがないので説得しながら、とにかく前にだけは進ませた。
あと5キロで完全にタイムリミットを向かえたので
『1年間の辛さと努力を思い出せ、
とどめには、もし完走できなかったら、
来年はもっとキツい練習をさせる!』
と、激を入れると、どうにか走り始めてくれた
走り始めると、疲れ切っていた私には着いて行くのが
大変なほど意外にも早い。
制限時間まであと2分でゴール・・
無事任務完了!!
とにかくよかったよかった。



