最初観る予定ではなかったのですが、

日経夕刊に本作のプロデューサーのアーミル・カーン氏のインタビューが載っていて、

ちょっと興味を惹かれたのと、観やすい時間に上映されていたので(笑)観てきました。

 

 

その前に、アーミル・カーンって誰よ?と思われた方、

このめちゃくちゃ面白い映画に主演されてるインドの有名俳優さんです。

真ん中の黄色いTシャツの方。

 

『きっと、うまくいく』は、私が今までに見た中で一番面白い映画です。

一番好きな映画は『ラ・ラ・ランド』ですが、面白さではこっちが上と断言できます(笑)

(ラ・ラ・ランドは面白いとか面白くないという問題ではなく、

 観ている間ずっと幸せな気分でいられるから好き。

 2時間好きなものしか画面に映らないから)

 

脱線しましたが、『花嫁はどこへ?』の感想…

 

・妻は夫の持ち物なので夫の名前を染料で手に書いておく(⁉)

・新婚旅行へ行くときの移動中は花嫁はベールをスッポリかぶり、歩くのも覚束ないので

 夫が手を引いて移動しないと迷子になる(⁉)

・花嫁は料理や裁縫はしっかり母親から仕込まれているが、自分の住所や嫁ぎ先の住所は知らない(⁉)

・妻は夫の名前を口にしない、口にするのははしたない(⁉)

・花嫁の持参金、持参財(バイクとか)を新郎新婦の目前で親戚が話題にする

 

これ、インド農村部の田舎とはいえ2001年の設定なのがもうびっくり。

日本が可愛く思える男尊女卑っぷり。

混んだ電車に複数の新婚さんが乗り込み、

ある新郎が似たようなベールを被った花嫁を取り違えて

実家に連れて帰ってしまったのが物語の発端。

間違って連れてきてしまった見知らぬ花嫁の正体は?

連れてくるはずだった新妻の行方は?というお話です。

 

インドの農村部の常識というか、女性の地位のあまりの低さに

衝撃を超えた戦慄を覚えつつ、

お金や有力者とのコネが捜査に影響ありすぎの警察、

姑に対し結構強い嫁(笑)、

夫が単身赴任してしまい子供しか話相手のいない孤独なお嫁さん、

などなど、様々な人間模様を織り込みつつ、明るい雰囲気で進むお話ですが…

終盤のある女性の切実な強い願い、それを理解し叶えようとする人の超ナイスアシストに

思わず涙してしまいました。

そして、屋台で軽食を売って生計を立て、1人で生きる年配女性のカッコよさ。

 

「間抜けなのを恥じることはない。恥ずかしいのは、間抜けな自分を誇っていること」

「顔はその人の人格そのもの。顔を隠してしまったら、その人の人格も隠れてしまう」

というような(うろ覚えですが)、ハッとする名言もいくつかありました。

 

私の中で面白いインド映画といえば、上述の「きっと、うまくいく」

そして「マダム・イン・ニューヨーク」なのですが、

 

本作を加えて個人的3大インド映画が完成しました(笑)

 

どの作品も、娯楽作品としてしっかり楽しませつつ、

面白いだけじゃなく色々考えさせてくれて、最後はスカッと爽やか。

過激なシーンもないので、小学校高学年~中高生にも是非観てもらいたい作品たちです。

2時間授業を受けるより、これらの作品を観たほうがずっと学ぶものは多いと思います。