タバコによる健康被害とか青少年への悪影響が叫ばれ始めたころ、
映画やテレビではCMのみならず喫煙シーンそのものも自粛されていた。
「タバコ=カッコいい」というイメージの植え付けはいかがなものか、というわけである。
アクションものとか刑事もの、いわゆるハードボイルドには不可欠の
タバコという小物の封印は現場にとっては厳しかったのではないか。
「厳しかった」と過去形で書いたが、
つい2~3日前たまたまドラマの予告編を見たら、
登場人物2人(若い男子)が歩きタバコをしていたので、
喫煙シーンは解禁になっているんだなぁと思ったのである。
解禁って、
そもそも厳格な意味で禁止されていたわけではないので、
喉下過ぎればというか、なし崩し的なのかもしれないが。
まさか、その風潮に異議を唱えたわけではあるまいが(そうなのか?)、
ど~ん!とタバコ(とコーヒー)を前面に出した作品である。
いや、前面ではなく、あくまでもコーヒーとタバコは脇役なわけだが、
欠くべからざる存在感であることを随所でさりげなく主張している。
ジャームッシュお得意のモノクロのオムニバスで、
登場人物はどこかワケあり風情で、一癖二癖あるような人ばかり。
タバコを吸わずにはいられない、
コーヒーを飲まずにはいられない感じがよく出ていておもしろい。
このタイトルのためにわざわざコーヒーやタバコを登場させたというよりは、
出来上がって見たら、
どのシーンにもたまたまコーヒーとタバコが映りこんでいたという印象だ。
ケイト・ブランシェットの一人二役がいい。
トム・ウェイツの相変わらずやる気のない感じがいい。
そして、
観終わったあと何か考えさせるものがないジャームッシュならではのサラリ感がやっぱりいい。
2003 米
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ロベルト・ベニーニ、トム・ウェイツ、ケイト・ブランシェット、スティーヴ・ブシェミ

