私の母親は、おそらくは何らかの精神疾患があったのだろうけど、常に精神状態が不安定だった。
 ニコニコしてると思ったらいきなりキレて殴って来たりして、機嫌がコロコロ変わるので子供心に常にびくびくしていたものだ。
 なので、友達の家で遊んでいると自宅では感じた事のない安心感と、このまま帰りたくないという気持ちにいつもなったのを今でも覚えている。

 また、普通の母親なら運動会とかのお弁当は我が子の為に腕によりをかけて、お洒落な可愛らしいお弁当を作るものだろう。私の母親は世間の母親とは違って、独身男性が3分で作ったと言わんばかりの、人に見られたら恥ずかしいようなお弁当を持たせるのだった。
 幼稚園は普段は給食だったのだが、イベントの時とかはお弁当だった。お弁当の時は4人とかでグループになって食べるのだが、私は自分のお弁当が他の子の弁当と明らかに違う事が恥ずかしくて、弁当箱の蓋で隠すようにして食べていたものだ。

 また、お弁当の思い出としては、小学校低学年の時の運動会だったか、何かのイベントの時を思い出す。
 朝、登校する時に持って行くはずのお弁当が無くて、後から届けるとの事だった。それで後からみんなで整列してる校庭に届けてくれたのはいいのだけど、持って来たのがスーパー「いなげや」の惣菜コーナーで買ってきた焼きそばだったのだ。顔から火が出る程恥ずかしかった。

 料理も全然しない人で、おかずも無いからよくお冷やご飯に味噌汁掛けて食べたりしていた。味噌汁でご飯が温かくなるので好きだったのだ。それで、文集に母親の好きな料理って題で作文書く時があって、正直に「味噌汁かけご飯」って書いた事があった。出来上がった文集を読んだ母親がブチ切れたのは言うまでもない(笑)
 
 今でも人から「ご飯を本当に美味しそうに食べるね〜」ってよく言われるが、私はそのまま褒め言葉として受け取る事にしている。