昨日は予定通り面接に行って来た。

 待ち合わせ場所は、大勢の人が行き交う改札口の、みどりの窓口前。約束の時間に「着きました。こういう服を着ています」とLINEして待つことしばし、全く見覚えの無いおばさんが、人混みの中を一直線に近付いて来た。
 「まさかあの人じゃないだろうな?写真と全然違うから、別人だろ」と、自分に言い聞かせている内に、そのおばさんがすぐ側まで来てペコリと頭を下げてしまった。

 よくよく見てみるとアプリの人なのだが、写真は相当盛っていて、ほぼ別人のようになってしまっていた。しかも、実物は写真よりはるかに老けていて典型的な「おばさん」顔で、体型はぽっちゃりとかそういうレベルではなく、ドラえもん体型だった。

 私とマッチングして実際に会ってくれるってのは、そういう事なんだろうなと、なんとなく解ったような気がした。うまい話などある訳ないのだ、と。

 さすがに無理だと思ったけどそのまま帰る訳にも行かないので、駅ビルの喫茶店に案内して、そこで2時間ほどお話して解散した。何を話したかとかもあまり覚えてなくて、とにかく沈黙にならないように思い付いた事を話題にして喋り続けていたと思う。

 お茶代は2000円位を覚悟していたが、彼女がお昼を食べて無いと言うので食事も一緒に頼み、さらにデザートとお代わりの飲み物で、合計4850円。会計時、彼女も財布を取り出して支払う意思を見せてくれたが、男の見栄で私が全額支払った。

 そのまま改札口で別れて、今日はありがとうございましたLINEをお互いにして、それっきり。今後は向こうからも来ないだろうし、こちらからも送る事は無いだろう。

 こんな風に休みの日を潰して、知らない人と会って気疲れして、お金も使って、無駄な事をしているような気もするが、いつかこの経験が生きる時が来ると信じたいものだ。