彼女は次に、出身大学はどこか?って聞いてきた。
私は地頭は悪いと自覚しているのだが、卒業した大学は比較的有名なところだ。
たぶん、日本人なら誰でも一度は名前を聞いた事があるだろう。田舎の老人だって知ってると思う。
私は「〇〇大学です」と答えた。
すると彼女は訝しげに
「え?2部ですか?夜間ですか?」って言うんだよね。
普通、大学がどこそこだったって言われたら、キャンパスが〇〇にありますよね、とか、友人も通ってましたよ!とか、何学部でどういうお勉強をされてましたか?とか、そういうリアクションになるんじゃないの?
それを、大学名聞いた直後に、2部かどうかなんて確認するかな?
それはさすがに失礼なんじゃない?
目の前に居る退屈な抜け作が、そんな有名大学出てるなんて信用出来なかったんだろうね。
だからとっさに、2部とか夜間とかって言葉が出て来たんだろう。
もしも、大学受験を経験している人なら、そこの2部でも夜間でも馬鹿にしたりはしないだろうけど。
2部でも夜間でも無いですよって言うと、そんな良い大学出てるならプロフに書くべきだって、アドバイスまでしてくれたよ。
立派な学歴があっても年収に結びついていなければ、婚活においては無用の長物だろう。
その学歴でその年収なの?って思われるのが嫌で伏せていたのだ。
その理由を彼女に説明する必要も無いから、笑って聞いてたけどね。
こっちも聞かれたから彼女の大学も聞いてみた。
別に彼女の学歴になんの興味も無かったけど、それが話の種になり、会話が弾むきっかけになるかもしれないと思ったからだ。
そしたら、私は言わないって。
それならこっちにも聞くなよって思ったねえ。
そんなやり取りをしている内に、お食事も終わり、解散する事になった。
最初に感じた、違和感、微妙な雰囲気は、結局最後まで解消しなかった。むしろ増幅したと言った方が正確だろう。
2人共、新宿駅から電車に乗るので、駅までは一緒に帰らねばならない。