"…うーん。冴羽さんの苦手なものかぁ。ねぇ、ファルコンは長い付き合いなんでしょ?わからないの?"
"あぁ。それはな信宏…。 ぃぎゃぁ!ね猫!"
みゃ ミャオ~ン。と俺は必死に鳴いた。コラっ。しゃべんなよ海坊主っ!
"パーパ‼いい加減にして!…もうっ。
…そんなに隠したいことっ⁈そんなに隠したいのなら、もうっいいわっ。"
"まぁまぁ、アシャン。
ここは焦らず、ジワジワと追い詰めていったほうが面白いじゃないの。
…ところで信宏。その小さなプラモはなんだい? やけに目立つところに置いてあるじゃないか。"
まぁまぁとアシャンをなだめながら、
ゆっくり信宏のそれに視線を写し、
聞き始めた。
"あぁ これですね。すごいでしょう?
最近まで絶版とされていた、セスナ機のプラモデル。やっと手に入ったんですよ。…普通だとプロの人しか操縦できないんですけど…普通の人でも楽しめる代物なんです …。"
やっやばいっ聞いてるだけで頭が痛くなってきたわ。ちょっとトイレ…っ。
その場を少し遠ざかろうとしようとした時だった。
"ヘェ~ほうーなるほどね。面白そうじゃないか。ちょっと飛ばしてみようかね?プロじゃなくても操縦できるんだよな。ほれ、貸してみ?"
…俺の行動を何か見破ったようなのか、何か企んだ顔をして…。信宏から
それを受け取り、操作し始めた。
そしてそれを目前に…。
…ぶぶっ ブルンブルンっ。
"ヘヘェ~面白いじゃないの、ねぇ撩?"
…いっいっいぎゃあ!やっ止めてくれぇ!言葉にならない緊張感が顔から汗をダラダラと噴き出す。…もっもう我慢できねぇ‼
"…っっだぁぁ!もう我慢できねぇ!"
"撩パーパ⁈さっ冴羽さん⁈"とふと驚いた顔でこちら見ていたが、そんなのお構いなしで、店の隅へと逃げ走った。
"ははっ。やっぱりそうだったのか!
こりゃあ、面白い!…っくくくははは‼"
"…やっぱり!知ってたのか!お前は!"
"そりゃあ、もちろんだ。香と酒を酌み交わした時に、撩の弱い所を教えてくれと頼んだら。即話してくれたさっ。香と私の友情を甘くみて貰っちゃあ、困るね!"
…まったく女同士の友情って、これだから困るんだっ!俺には内緒でっからかいやがってっ!
…とドンドンそれが近づいてくる。
"さぁっっ!恨みに恨みを積んだ仕返しだっ!…意地でもこれで追いかけ回してやる!覚悟しなっ!"
"…ひっっ!ぎぃややぁ!来るくるなぁ‼"
と揚は笑いながら、俺はそれに必死に逃げ惑った。恐怖心を与える、そのセスナ機から。
"ねぇ…海坊主さん。撩パーパのセスナ機恐怖症。なぜ香マーマは黙ってたのかな?"
" それは…あんなに恐怖に感じていたセスナ機が、上空に飛んでしまった敵のセスナから助けてくれた時、微塵も恐怖なんて感じさせないほど…
撩がカッコ良かったらしいぞ。"
そうなんだ…だからいつもポーカーフェイスなのか。とシャンインと信宏は思いながら、揚と撩のくだらない攻防戦を見ていた。〈終〉
〉見てくださって、ありがとうございました。アシャンが撩さんのセスナ機恐怖症を知らないのが、非常にもったいないと思いました。本当に。
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