宋の時代になると、
この『百丈古清規』は
すっかり衰退してしまい、
それを遺憾とした雲門宗の
宗賾そうたくさんが、
当時叢林古刹などを調べあげ、
現存する最古の清規『禅苑清規』
ぜんおんしんぎを
1103年(日本は平安時代)記されました。
栄西さんが
宋で学んだ頃の禅林ではすでに
この「禅苑清規」が
用いられていたと考えられており、
その中には現代の茶の湯の原型と
考えられている「茶礼」がありました。
「禅苑清規」の中では「点茶」という語が
使われています。
栄西さんの後も、
永平寺を開創した道元さん、
大徳寺を開創した宗峰妙超さんの師の
南浦紹明さんなど、
宋へ留学した僧が続き
「禅苑清規」が、日本の禅宗と
茶の湯の成立に大きな
影響を与えたと考えられています。