775ライブリーFM「Doctor富士の四方山話」
文芸投稿、お題は「栗」
どなたでも、ご投稿になれます。

お詫び、何らかの事情で、清原修司さんのたんたん小説の朗読の部分が消えていました、ここにその原文をお書きしますのでラジオとともに、お読みください。
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たんたん小説
清原修司
いつも大変お世話になっております。清原です。
147回目の投稿です。たんたん小説としては71回目です。
今回もよろしくお願いいたします。
テーマ:栗
ジャンル:たんたん小説
タイトル:優しさに傷ついて
イガに覆われ、素顔の見えない栗と、ベルトコンベアーのラインで隣り合わせに働く彼女。人間の彼女にとって、工場で機械を組み立てる作業はキツい労働だが、イガで表情の見えない栗が黙々と働く姿は、彼女のメトロノームになっている。そのリズムに合わせると、なぜか作業が心地良い。
外国人排斥の世論を取り込んで与党になった新政権は、外国人の代わりに栗を労働力として受け入れた。寡黙で勤勉な栗たちは、今やこの国の経済に欠かせない。
終業のサイレンが鳴り、彼女と栗は語り合いながら帰宅する。他愛のない会話はやがて、互いにとってかけがえのないものになっていった。
栗は自分のイガが彼女を傷付けないように接していた。しかしその優しさは、彼女の望みではなかった。
彼女はいきなり栗を抱き締め、口づけをした。全身にイガが深く刺さり、鮮血が彼女を赤く染めた。夕焼けが静かに2人を照らす。
体から生気が抜けていく彼女を、栗はきつく抱きしめた。
ピッタリ400文字です。
映画「シザーハンズ」を発想のヒントにしました。
よろしくお願いいたします。
清原修志