『法を用うること、務め寛簡に在り』

―用法務在寛簡―


 

<貞観政要>

唐の太宗があるとき側近の者を集めてこう語った。

「一度死んだ者は二度と生き返らせることはできない。だから法の適用は、なるべくゆるやかにすることが望ましい(法を用うること、務めに寛官に在り)。

 

ところが今の司法官を見るに、古人がいみじくも『棺桶を売る者は、毎年、疫病の流行することを望む。他人が憎いからではない。棺桶が沢山売れるからだ』と語ったように、やたらと苛酷な取調べを行なって、己の成績を上げることばかり考えている。

 

太宗の嘆きは、現代にも当てはまるかもしれない。たとえば、点数かせぎを目的とする交通違反の取締りなどはその一例であろう。そんなことに熱心なとひろほど、肝心の事件の解決率が低いとくるから、いっそう始末が悪い。

 

この問題はまた警察や司法だけの課題ではない。一般の人事管理においても、「務め寛簡に在り」の原則でいきたいところだ。

 

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